「医療心理師の業務は医行為とせず」について、医療関係団体は7/5まで知らなかった(知らされなかった)ことをめぐって、さまざまな議論がなされています。
Ichirouさん>、医療心理師推進協議会の中で、5月以前にそんな話(註:医行為としないこと)が確認されて、医療心理師側から議連に提案があったとすれば、その後の3団体、そして日医の反対声明の全てで、医行為との関係で問題(学会は直接そのことには触れていませんが・・)としているのは、そのような話がこの3団体には全く伝ってないからだと思えます。
実際の事実としては、3/31西島議員HPにあるように、「保助看法は解除しない」ことが春には今回の国家資格の性格づけられています。コメントでも関連情報が寄せられています。
デスマさん>おそらく、議連の議員さんや衆議院法制局としては、保助看法の一部解除では、
・最低ラインが専門学校3年での養成になる
・医行為かどうかの外形上での判断は困難
・看護師の業務とのバッティング
・他領域の心理職が違法になる
等々といった不都合が起こることを勘案しつつ、しかし、医師の側からみれば「保助看法の一部解除」の場合とあまり変わらずに使える「保助看法もどき」の法制度にしたのだと思います。実際、医療心理師のみであれば、「国家資格をもっている心理職は」疾病者に主治医のあるときには、医師の指示に従うわけですから。そこに、臨床心理士会が相乗りしてきたことによって、もともとの医療心理師ともども保助看法の一部解除でないことが鮮明化され、そこで医療関係団体の方々がびっくりして反対した、というのが、実際のところではないかと思います。
灰色のたぬきさん>ichi-ishiさん、3.31の医療心理師法案要綱での医師の指示については、4月の段階で私はとある機会で全心協の上層部の方より説明を聞く機会に恵まれました。そこでこの法案の画期的なところとして、保助看法を解除せず、「主治医がいる場合は医師の指示」とすることで、整合性を保ち、医行為についてはあえて言及しないことで今までの問題をパスするとの話を聞きました。またこの法案は法制局で製作されたとも聞いております(まあ議員立法ならば当然なのでしょうが)。
それが公の場であったことを考えると、決して隠しているとは思えませんし、psymioさんの以前の話から察すると私も当然知っていたことと考えていますが誤解なのでしょうか?
つなでさん>上記「医行為はずし」の話は、4月の決起集会で全心協会長が述べていた(公共の場での発言なのでネットに書いていいのだと思いますが)と記憶しています。その案について最初に聞いたのは、去年の秋だったと記憶しています。まちがっていたらすみません。3.31に法案要綱が議連で承認されていますので、当然、推進協議会の諸団体の中では意見が一致したものと思っていましたが、違うのでしょうか。
それなのに、医療関係団体が知ったのは7月。4、5、6月の新緑の季節はどこにいったのでしょうか?この「新緑のミステリー」について、緊ブロのコメント欄で活発な検討がされてるので、ここで一部紹介します。
Bxq2uwさん>第1の仮説は、かなり荒唐無稽なものですが、推進協議会に参加した医療関係団体の方々が、実は「医行為」の問題については完全には理解していなくて、法案骨子の提案者が、別に医行為としないことを隠して説明した訳ではないのに、医師の指示という文言があることだけで勝手に保助看法を解除するものだと解釈して、ずっとそのままそう思いこんでいた、というもの。
第2の仮説は、これも考えにくいのですが、全心協と、そしてそこと連携した議員が、最初から意図的に医療関係団体を騙し続けていたというもの。
第3の仮説は、医行為としない、保助看法を解除しないということを説明も受け、了解もしていたが、それは、新たにできる医療心理師の団体を全心協が牛耳ること、全心協は将来に渡って関係医療団体に忠誠を誓うことという密約の上に成り立っていた。ところが、一連の流れの中で、全心協に対する医療関係団体の信頼感が崩れ、従って将来に渡って忠誠を誓うという件も信用されなくなったために、医療関係団体としては、一度はした了解を撤回したというもの。
Bxq2uwさん>前に書いた3つの仮説のうちの3番目の可能性が一番高いんだろうと思います。灰色のたぬきさんがご自身のブログに書いていた疑問(臨床心理士が相乗りしたら、それ以前に合意していたことまで撤回してしまった)は、これで説明が付くように思います。
Bxq2uwさん、情報がない状況で、我々は仮説を立てて検証していかざるを得ないのですが、仮説提示をありがとうございます。仮説3は「密約説」ですね。もし全心協と医療関係団体が充分なコミュニケーションを取れていれば、仮説1,2はあり得ないわけで、仮説3の可能性は高まります。
Ichi-ishiさん>bxq2uwさんの可能性の1に近いのかもしれませんが、誰にも悪気もなく、誰も考えを途中で変更したわけでもなく、それぞれの立場の人が、それぞれの視点で一所懸命に考えてきたからこその行き違いであると思います。(中略)
やはり、医療関係団体は、医療心理師法案は、当然のように、保助看法解除による医療職としての法案要綱であったと認識していたのではないかと思います。
ブログに書かれた説明、西島議員のHP、全心協幹部の方、3月31日に議員さんの間で何が話し合われたかをご存知の方には意外に思われるかもしれませんが、医療職の立場にある人間からみれば、この法案要綱からは「保助看法解除ではない」と理解するのは困難です。普通にみれば、保助看法解除による医療職としての法案要綱と受け止めるのが自然です。たぶん法制局の方もそのおつもりで作られたものと思います。(中略)
さて、これに対し、原案の臨床心理士法案は、医療法とは、全く別の資格法案です。横断的資格とするために、法制局もまったく異なる視点で作成しています。医療側からすると全く想定外のものという感じだと思います。この法案では、当然ながら、医療資格法の基本要件とはまったく異なるので、医行為とされる行為に関わることはできません。もっとも、この法案のような心理職としての横断的資格を先に作り、追って(または併行して)医療領域について、医療領域に特化した医療資格を作って行ってもよいのかもしれません。
Ichi-ishiさんは、bxq2uwさんの仮説1が実際には可能性が高いのではないかということを、法案内容の丁寧な検討を基に論じています。なるほど、医療心理師法案は、医療法としての外見を持っていたため、「医行為としない」に気づかなかったというご意見、その可能性も充分ありえるなと感じます。特に、団体の役員ではない一般の医療関係者にとっては、そんな感じだったのではと納得できます。それでは、全心協と当然情報を蜜に共有する必要があった方の立場では、どう感じているのか・・。
Psimioさん>両議連が秘密裏に交渉を続け、7/5に突如新法案を公開。その場に医療関係団体を呼ばず、事前に根回しもしなかったのは、必ずそのことで大きな問題が出ると認識していたからでしょう。ですから、大きな反対のないうちに、大慌ての議員立法で一点突破を図ったと見るべきです。(中略)
bxq2uwさんの可能性について言えば、1と2の間と言うことになるでしょうか。3に医療団体への「忠誠」と言う表現がありましたが、そんな気持ちは更々医療団体にはないでしょう。あくまで心理職の念願への支援という立場が基本です。
Psimioさんは、医療関係団体の関係者として医療心理師推進協にかかわっていた方と存じますが、関係者が早く教えてくれなかったことへの不信感をお持ちになっている。その意味で、1と2の間と感じているようです。
Bxq2uwさん>医師の方から、私の3つの仮説のうち、「1に近い」「1と2の間」というご意見をいただき、正直ビックリしています。というのは、私自身は、おそらく3だろうと思っておりましたので。
これは、かなり重大なことになります。と申しますのは、医行為としない、保助看法を解除しないという路線は、私の推測では昨年の11月に決まり、それを元にそれ以降の骨子なり要望書なりが作られていると思うからです。どなたか去年の秋に聞いたという方もいらっしゃいましたよね。
ところが、1あるいは2ということになりますと、最初からその点を誤解している(理解不足か騙されたかの違いだけ)わけですから、そうだとすると医療関係団体の方がおっしゃるように3月31日以前の状態にリセットするという話ではなく、去年の11月以前の段階にリセットしなければならないはずです。
Psymioさん> 立てられた3つの仮説のうち、少なくとも3ではないということです。心理職の方々の間では定説あるいは既知の事となっていても、医療関係団体の中では、従来どおりの方針と理解されていた、あるいは甘い理解もしくは誤解が続いていたということになります。
全心協のHPには、医行為と心理学的行為の関係についての過去の要望書や論点の整理は掲載されていますが、大きな「路線転換」について明示された解説はありません。公開質問状の「回答」で、何月何日にこう言ったじゃないですか!と言うような反論があればスッキリするのですが・・・7/5新法案提示後に、大きな路線変更について明確な提示と解説があれば、このような混乱は生じなかったと思います。7/8協議会総会では、全心協幹部の方々は「この法案には多くの問題がある、しかしこの機会を逃したら国家資格化はできなくなる」の一点張りで、それ以上の論議はありませんでした。単なるボタンの掛け違いだけなのでしょうか?
ご指摘のように、国家資格化について厳密に議論しようとすれば、昨年11月以前にリセットしないと再び事実関係を巡る不毛な論議になるでしょう。しかし、このブログや他の場でも十分に分かり合える信頼関係と議論ができています。そう悲観することはないと思います。
みなさん、さまざまなコメントありがとうございます。密室のこと、関係者の思惑、うわさなど交錯するなか、いろいろと情報を検討できてありがたいです。もちろん情報にはうわさもあるのですが、それは「仮説」として冷静に検討していければと思います。
私の考えでは、1,2,3の混合です(ちょっとずるいかな)。
「医行為としない」アイデアは鴨下議員が出したと聞いています(官僚とともに検討したとするのが自然ですが)。それらの情報は当然全心協幹部にも伝わり、内密の話と言うことで医療関係団体にも当然情報提供されたでしょう。また官僚側から医療関係団体に根回しがあってもよいと思います。しかし、内密な情報ですから、正式に内部で検討される段階とはならなかったと考えられます。もちろん、公式の場で「医行為としない」という発言がなされ、心理関係者には大問題として大きな議論となっていたのですが、一部の方をのぞいて多くの医療関係者は見逃してしまったということでしょうか。オフレコと言いながらうわさが関係者に広がりどのような反応があるかをみる、これは官僚や議員の常套手段でしょう。しかし、不幸にも医療関係者の大部分には本当にオフレコで伏せられてしまったという感じでしょうか?これは仮説1に近いですね。
しかし、少なくとも全心協や医療心理師推進協関係者にとっては、推進協結成のバイブルである「推進協要望書」からはずれる訳ですから、正式に医療関係団体に根回しする必要があった。しかし、その根回しを意図的にぼかした可能性はあるでしょう。そのぼかしの姿勢が、推進協会長の論点のずれたまとめ(緊ブロのエントリー参照)に端的に表れていると思います。彼にとって「医行為」問題の深刻さはピンとこなかった。これは、「意図的」ではないとしても、結果として「未必の故意」と言われてもしかたがない。これは仮説2に近いですね。
そして、ぼかしたとしても根回しはあったとするならば、その中で全心協側としては、「医行為としない」ことについて黙認するようなサインを医療関係団体から読み取ったのではないでしょうか(というか、そう勘違いした)。そしてそのかわりといっては何だけれど、医療関係団体に気を使う姿勢はみせ続ける必要がでてきた可能性があります。「密約」ではないとしても全心協側に医療関係団体の顔色をうかがう行動は感じ取れます。カリキュラムに大幅に医療関係科目を入れようとするなどです。これは仮説3に近いでしょうけれど、医療関係の方にはそのような顔色をうかがう行動があったことも及び知らぬことかもしれません。
あまり詮索するのもよくないですし、今後どう進めていくか建設的な議論も始まっているのですが、建設的な議論をするためにも過去の検証も必要と考えます。過去の検証も信頼関係作りにとって重要と思うからです。Psymioさんの「このブログや他の場でも十分に分かり合える信頼関係と議論ができています。そう悲観することはないと思います」という発言にはとても救われます。
このエントリーのコメントには、これまでの経緯の確認や検証などを主にお寄せいただければ幸いです。
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