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« ワーキングチームの資料から読み取れること | トップページ | 学部卒と大学院との平等論についての対話 »

2016年12月11日 (日)

緊急事態! ワーキングチームのたたき台が危険な方向に

12/9に開催された公認心理師等カリキュラム検討会ワーキングチームで、
事務局からの「たたき台」が出ました。
皆さん、ぜひチェックしましょう。

少しわかりにくいのですが、
このたたき台(資料1)の別添資料2に、
具体的な学部・大学院の科目案があります。

驚くべき内容です。

まず、
大学院での授業系科目が6単位(3科目)しかありません。
(実習科目は18単位)
これでは、
ほとんど大学院の授業は行わず、
ただ実習をしていなさいということになります。

これでは、
学部と大学院を通して心理職を養成するのではなく、
学部中心のカリキュラム体系となってしまいます。
学部の講義はほとんど基本的な内容です。
大学院でどう本格的な実践教育をしていくかが重要なのに、
そのことがほとんど反映されていません。
これが学部と大学院という枠組みから大きく逸脱する、
カリキュラムの大きな第一の問題点です。

もう一つあげると、
学部と大学院とを通して、
臨床心理学と題された科目がありません。
公認心理師概論はあっても、
臨床心理学概論はありません。
これは非常にまずいです。

臨床実践に関する基本的な学問を、
しっかりと学ばなければ、
対人支援の専門家として魂を失います。

公認心理師概論とありますが、
公認心理師支えてきた学問は何なのでしょうか?
公認心理師学といったものは存在しません。

公認心理師に関する学問体系がないならば、
概論は存在しないでしょう。
「公認心理師概論」ではなく「公認心理師職能論」ではないでしょうか。

そして公認心理師職能論を支える基本的な学問体系として、
臨床心理学があり、
学部で臨床心理学概論を、そして大学院で臨床心理学特論を、
しっかりと教える必要があるのではないでしょうか。

国会の衆議院及び参議院の附帯決議にも、
「臨床心理学をはじめとする専門的な知識・技術を有した資格」と、
明記されています。
その国会のそして国民の願いに背くことのないようにすべきです。

この危険な方向がいよいよ表に出てきました。
この緊ブロが危惧していた、
公認心理師の質を下げる動きが、
この段階で本格化してきています。

時間はあまり残されていません。
12月下旬に次のワーキングチームが開催されるという情報があります。
なるべく多くの関係者でこの情報を共有しましょう。
そして関係する組織に働きかけましょう。
そして組織の力でワーキングチーム及び事務局に声を届けましょう。


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養成カリキュラム」カテゴリの記事

コメント

第3回ワーキングチームを傍聴しました。「臨床心理学」については、到達目標の適切な項目の中に明記される方向で議論が進んでいます。「臨床心理学概論」「臨床心理学特論(大学院)」を必須科目にという案が出されて反対意見は出ませんでした。

厚労省の資料は文字だけで見ると、またこのようにみなさんの不安が掻き立てられてしまうかもしれません。座長は第3回ワーキングチームの最後に、「みなさん、各団体に今日の話し合いの内容を持ち帰って広報してください。検討会が協力して公認心理師を良いものにしようとしていることを伝えてほしい。」と言われていました。今は対立の時ではないのです。今度こそ、臨床心理士がひとつになって公認心理師が良い資格になるように、真摯に努力すべき時です。

議事録が出るまでに時間がかかると思いますので、コメントさせていただきました。

追加です。たたき台にある科目は、必須科目であって、「これしかしてはいけないという意味でないので、そこを間違えないでください。」と座長が強調されていました。大学院での座学は追加されてもいいということです。

座長は付帯決議の重要性、公認心理師の基本的な科目は臨床心理学であることを繰り返し述べられていました。

問題点は、そこではなく、7条2号、いわゆる学部卒ルートへの配慮が必要なために、国家試験に出る科目はすべて学部の内に学んでおかなければ不公平だという意見に対してどうしていくかです。ここは本当にみんなで知恵を出さないといけないところです。

 学部卒ルートがあるということは、大学院での必修科目は実習以外にありえない、というのが論理的帰結と思われます。私はそれでよいと思います。
 むしろ問題は、学部卒ルートが卒後の実務において、適切な指導、スーパーバイズを受けらながら経験を積めるかについて、受験資格で厳しい基準を設けるべきと考えます。

つなでさん、コメントありがとうございます。

重要な情報をありがとうございます。
「臨床心理学概論」が学部で、「臨床心理学特論」が大学院で必修ということが、
ワーキングチーム内で確認され、
次回のたたき台に反映される方向であるというお話、
これはぜひとも広く共有し、
確実にそのようになることを注視していきたいと思います。

座長の先生は附帯決議に何度も触れられていたということは、
大学院での講義科目単位が少なくて実習単位だけが多いという案の理由は、
もっぱら学部ルートへの配慮だけなのでしょうか?

あさってさん、コメントありがとうございます。

「学部卒ルートがあるということは、大学院での必修科目は実習以外にありえない、というのが論理的帰結と思われます。私はそれでよいと思います。」

ある地方自治体の公務員試験があって、
学部卒レベルを採用する試験だけれど、
門戸を広げて短大卒の人も受けれるようにしたとします。
(そういうことが現実にあるかどうかは別として)

試験レベルは、
短大卒者に配慮して下げるでしょうか?
また短大卒と学部卒の公平性の観点から、
学部卒で学ぶカリキュラム内容を減らすようメッセージを送るでしょうか?

こういう人を採用したいという基準があって、
(それがoutcome-basedと考えますが)
それを目指し短大卒の人も頑張って学び、
そして合格していくのではないでしょうか?
そうすれば短大卒の人も、
何が求められているかが明確になり、
一生懸命頑張れると思います。
本人にとってもよいことだし、
質の高い公務員が確保され何より国民のためになります。

資格試験とは少し異なることもある話ですが、
レベルを下げないことで、
皆が幸せになるのだと思います。(苦労もしますが意義ある苦労でしょう)

悪しき平等主義を、
論理的帰結の論理の中心にすえてはならないと思います。

学部卒後の研修の質をどう高めるか、
そのご意見には全面的に賛成です。


こころしかくさん、このブログを再開して、公認心理師養成の貴重な議論の場を設けていただきありがとうございます。

 たたき台が公開されたとき、私も こころしかくさんと、全く同じ思いを抱きました。 つなで さんからの情報では、臨床心理学がきちんと学部にも設置されるということは良かったと思います。 
 
 この案が、公認心理師と臨床心理士など民間資格との共存共栄案になっていることです。大学院の科目で、臨床心理士養成校(もちろん公認心理師養成もする)は、専門科目を充実させる。臨床発達心理士や学校心理士も専門科目の内容で特色をだせるかもしれません。もし7条の2の受験ルートがなければ、これはよい案かもしれません。

 しかし、このたたき台案では、実務経験の年数は限りなく短くなり、大学院に行く人が少なくなる可能性が高くなるということです。その結果、臨床心理実践をしながら、知識を取り入れていくという学びの基本を習得しない人が、社会にでていくことを危惧するわけです。 おそらく、7条の2をサポートする斡旋業者(専門学校)が名乗りをあげるでしょう。大学院の授業料より安く、実務経験をサポートする業者です。法科大学院が軒並み失敗したのは、予備試験のコースを作ったからです。

7条2のために、「学部で知識を大学院は実習を」「試験は7条2にあわせる」という論理は、本末転倒です。 これは、国民の福利のために、絶対に譲れない論理です。

Tommyさん、重要な意見をありがとうございます。

その通りですね。
通信制のサポート校のようなところが、
全国的にできて、
下手をすると学部卒2年で受験資格を得させるという流れが、
出てくる危惧がありますね。

大学院の質は下がり、
(そもそも大学院に行く人は激減する)
臨床教育を行うとうたう専門学校に通いながら、
数日現場で働きながら実務経験を積む、
そのようなルートが出てくると、
公認心理師の質は非常に低いものとなりますね。

国民のために全くならない方向です。
強く警戒しなければなりません。

7条の2の受験資格を強く推している委員に、もう一度、その根拠をきくべきです。なぜその受験資格ルートが国民の利益になるのかを。医師はそういったルートはありません。6年の教育課程があり、かつ研修医制度があります。なぜ、7条の2が、制度として必要なのか、これまでの議事録では確認できません。法律に記載されているからです、というのが回答ですか?それは、臨床心理士の多くは反対してきたのです。一部、賛成の方もいるようですが。なるほど、学部卒プラスそういった実務経験なら、それは必要だと国民が納得するシステムを作って下さい。納得できるシステムを提案してほしいとおもいます。汎用資格ですから、教育分野でも、福祉分野でも、実習をしてもらわなけらばなりません。教育では、教師とコラボで心の健康授業を実習経験をサポートする指導者の指導で行ってほしいとおもいます。

>7条2号、いわゆる学部卒ルートへの配慮が必要なために、国家試験に出る科目はすべて学部の内に学んでおかなければ不公平だという意見

素朴な疑問なんですが、受験資格と出題範囲はそんなにリンクするものなんでしょうか?受験資格は最低限のラインを決めているだけで、合格を保証しているわけでないのだから、リンクさせる必要はないのではないでしょうか?極端な話、大学院で習う以上の出題内容があってもいいと思うのですが・・・。

出題範囲が大学院卒ルートと学部卒ルートで違っていたら不公平でしょうが、出題範囲が同じならそれで公平なのではないかと思うのですが・・・。「不公平」って何が不公平なのでしょうか?大学院卒ルートと学部卒ルートで出題範囲が違っていた方が「公平」と考える? 極端なことを言うと、合格率が一緒の方が「公平」?

学部卒ルートに配慮をすること自体が、大学院卒ルートの人に対して不公平とも考えられるのですが。

大事なのは、どんな人を合格者にしたいかではないでしょうか?

わかりにくい文章ですみません。ごちゃごちゃと考えました。

こころしかくさん、ご返信ありがとうございます。

大学院で実習が多いという点ですが、第3回WTで示されている「たたき台」は「必要な科目」について書かれているものです。つまり、選択科目は含まれていないのです。
ここが、みなさんちょっと誤解されているところじゃないかなと思います。

座長は、「この中にあるのは、公認心理師全員に必要なものだから、『全員には必要ない』『ここにないが全員に必ず必要』というものがあったら教えてください。」と言われました。

心理臨床学会のカリキュラム案は「選択」「選択必修」が多い案です。
これは、国家資格のカリキュラムとしては、問題があります。

国家資格である以上、国家試験に出題される「科目」は科目数と内容が定まっている必要があります。
これは、大学・大学院で必修科目以外を学んではいけないという意味ではありません。
国家試験は必修科目に関して出題される、ということです。

その必修科目すなわち「必要な科目」が厚労省の別添資料の22科目と、今回の議論で加えられた「臨床心理学概論」「臨床心理学特論」を合わせると合計24科目です。

これらは国家試験に出題される科目なので、全員が必ず学んでいなければなりません。
つまり、2号ルートの受験者もすべての科目を大学で学んでいる必要があります。
そこで、座学の「必修科目」はすべて学部で学び終えるという考え方になります。

繰り返しますが、大学院に座学等の選択科目があってはいけないという意味ではないのです。
私の「配慮」という書き方が誤解を招いたかもしれませんが、2号ルートを含めてすべての受験者は必修科目は全部学んでいなくてはならないという意味にすぎません。
これは科目数の問題なので、試験のレベルを下げるという意味ではないことも付け加えておきます。

なお、別添資料2に掲載されている科目のうち(応用心理学)という名称になっている13番から17番の5科目は、科目名が誤解を招く印象がありますが、その真意は基礎系の心理学のことではなく、公認心理師の汎用性の各領域に対応しているその領域の主として「臨床心理学」のことであると言う議論もなされていました。

大学院が選択科目を入れることができると考えれば、大学院に「公認心理師+臨床心理士」の受験資格を取得できるコースを作って行く道が開けるかもしれません。
私見ですが、大学院で発達心理学を多く学ぶ「臨床発達心理士」、教育心理学を多く学ぶ「学校心理士」、臨床心理学を多ぶ「臨床心理士」などのように、選択科目によってそれぞれの専門民間資格の受験資格を公認心理師の受験資格と同時に取得していったら合理的ではないかなと思っています。

Tommyさん、ペンギンさん
コメントありがとうございます。
本当にその通りです。
法律の趣旨、附帯決議、あるべき資格の姿、
それら諸々のことから大きく逸脱しているので、
まさに発展途上中のたたき台と思います。

つなでさん
ワーキングチームでの議論の方向について、
重要な情報をありがとうございます。
座長の先生がおっしゃるように、
「ここにはないが全員に必要」なものを、
しっかりと議論することが必要ですね。

つなでさんの(多くは)選択で良いのではという意見には、
私は反対です。
三団体のカリキュラム案には、
選択が多いのですが、
それでもその選択を取りながら、
何を共有に学ぶのかということについては、
しっかりと整理できるでしょう。
それらが必修科目(全員に必要)となるのだと思います。
それをしなければ、
受験生及び国民に誤った公認心理師の姿を示すことになります。
国民からのこの資格への信頼も大きく揺らぎます。

あるべき姿に立ち返り、
何が必要な科目かを十分吟味した上で必修科目を明示し、
その上で、
選択科目についても、
いくつかモデルを示せるとよいのかもしれません。

また国家資格で出題される科目は、
必ず全員が学んでいなければいけないという論理(理屈?)については、
新たに記事を投稿する予定です。

このような議論は、
よい資格を作る上で、本当に貴重です。
引き続き率直なご意見をお待ちします。

法律的なことはよくわからないのですが、私は公認心理師は大学院卒が基本の資格であると認識していました。

「国家試験に出題される科目なので、全員が必ず学んでいなければなりません。つまり、2号ルートの受験者もすべての科目を大学で学んでいる必要があります。そこで、座学の「必修科目」はすべて学部で学び終えるという考え方になります。」

この論理と「大学院卒がメインルート(基本)である」という論理との整合性がないように感じてしまいます。これだと学部が基準で、大学院は自己研鑽の意思がある者が+αを求めて行くものだというように思えます。

基本大学院まで進学し、その水準の知識と技術を身に付けたものに与えられる受験資格だが、例外的に学部卒でもそれと同等以上の知識と技術を身につけた者も受験できるというのが「大学院卒基本」の資格になると思うのですがどうなんでしょうね。大学院卒が基本というのは、法律的には明確化されていないんでしょうか?

本日朝にコメントいただいた方、
どうもありがとうございます。
本当にその通りです。
激しく同意します。

問題と思うのは、
カリキュラム等検討会では、
大学院中心という整理だったのが、
下部組織であるワーキングチームで、
突然平等性の議論が持ち上がり、
それがたたき台に大きく影響している点です。

カリキュラム等検討会の議論から逸脱する展開とも思えるので、
検討会メンバーからの意見集約も急ぎ必要なのではと感じます。

先方の論理は、
資格としては大学院中心であるが、
試験の設定は平等性が重要と言った、
強引な論理展開があります。
試験の平等性と言われると思考停止してしまう、
そんな(日本人の)弱点を突かれてしまっているような気がします。

ここは強引な論理展開から皆が冷静になり、
よい資格にするための試験のあり方、
そして教育のあり方という、
カリキュラム等検討会が大事にしてきている原則に、
立ち戻る必要がありそうです。

よろしければ、ニックネームを教えてください。

やりとりありがとうございます。

「選択科目でいい」というのは私個人の考えではありませんので、その点を明確にしておきます。

また、国家試験はマークシートで座学の「必修科目」についての出題になりますが、「受験資格」は大学院レベルの教育を受けた人(それに相当する2号ルート3号ルート)に与えられるということなので、国家試験の科目が学部でそろっているからと言って、「大学院がメインルートでない」ということにはなりません。

繰り返しますが、これは私の個人の意見ではありません。国家資格についての、検討会に出ている考え方をお伝えしているものです。

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