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2016年12月19日 (月)

いわゆる学部卒ルート不公平論について

12/8のワーキングチームで提示された事務局たたき台において、
大学院の必修、選択科目(特論)が、大きく削られ、
実習のみが増えている案が示され、
衝撃が走っています。

これまでの臨床心理士養成のための大学院教育の実績が、
あまりにも反映されていないものとなっています。
法律に、学部と大学院の教育が重要であることが明記されており、
国会の附帯決議でも臨床心理士等のこれまでの実績を尊重するとなっており、
当然養成する大学院の教育も手厚いものとなるだろうと予想していたところ、
反映されていない事態となっています。

どうしてこうなったのでしょうか。
その理由は不明ですが、
「第1号(学部+大学院)と第2号(学部+臨床経験)受験者の平等性」という意見が、
ワーキングチーム内の意見や、
ある学会でのホームページ上に登場していますので、
これらの意見については注意を要すると考えます。

そして、
大学院のみで教えられる知識は国家試験で出題できない、
   出題したら第2号(学部卒)受験者からクレームがくる、
といったような主張まで展開されていることを注視する必要があります。

すでにこのブログ及びコメント欄で意見が出ているように、
知識なき技能はあり得ませんし、技能とつながらない知識は空論につながります
知識と技能という分け方に惑わされず、どのような知識なのか、そしてどのような技能なのか、考える必要があります。

そもそも技能には、
アセスメントや支援の理論、効果評価理論など、
技能と密着した学ぶべき知識が満載です。

学部の知識だけで、
学部卒業後に知識を求めることを怠り、
技能の修得だけを目指す初学者あるならば、

それは恐ろしいことです。浅い知識に基づいて支援を行う、マニュアル型心理師を生み出してしまいます。

学部でも知識を習得し、
大学院でもさらに知識を習得し、
実際に生きた知識となるよう洗練させる必要があります。

学部卒の人も同じです。
実務の中での体験を整理し、何を学ぶかを明確にし、
そのことについてしっかりと知識を学ぶ、そしてそれをもとにまた実務に取り組む、

そのプロセスが重要です。

国家試験においては、学部で学んだ基礎的「知識と技能」と、

大学院や学卒後の臨床経験で学んだ実践的「知識と技能」、

から出題する、

という表現で十分なのではないでしょうか?

このような枠組みのどこに、

不平等かあるのかよく理解できません。

もちろん学部卒の人が、
実務のみでなく学べる(知識を学び深める)機会をどう確保するかについては、充分な配慮が必要と思います。

しかしそれはまず学部と大学院のカリキュラムが固まってから議論することでしょう。

学部と大学院のカリキュラム検討の段階で、

学部卒の人への配慮を持ち出すのは、話の筋がみえなくなるだけと思います。

その結果として、公認心理師養成の質が下がり、国民のためにならないということを、

充分に自覚することが肝要でしょう。

心理職は一生学び続ける職業です。
学部卒であっても大学院卒であっても学び続けることが重要です。

何を学び続ければよいかを、学部や大学院のカリキュラムで一部であっても示しながら、
若者の学習意欲を刺激し、
質の高い公認心理師養成の仕組みを考えていくことを強く望みます。

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コメント

日本学術会議・心理学・教育学委員会「心理学教育プログラム検討分科会」が「大学院のみで教えられる知識は、国家試験には出題できない。出題したら第2号受験者からクレーム。」と主張しているんですよ。学部卒+実務経験(7条2)は、実務経験を積みながら、大学院での科目に匹敵する知識を学べばいいではないですか。科目等履修生、研究生、または7条2の人のために大学院相当科目を機構が用意する、とさまざまなに工夫できるではないですか。これは、一委員会の問題ではなく、日本学術会議の姿勢が問われることになりませんか。かなり由々しき問題ですよ。

Tomyさん、本当にその通りです。
国家試験の公平性を工夫するために、
①学部にそろえる=質が下がる=大学院はいらない=質の低さに国民の信頼をなくす、
を選ぶのか、
②大学院にそろえる=質を保つ=学部卒後に学習の機会を作る=国民の利益になる、
を選択するのか、
重要な局面ですね。
12/22のワーキングチームでもし①が選ばれるようなことがあるならば、
それは附帯決議にも反することだし、
法律の1号の存在意義にもかかわることになる、
きわめてよろしくない事態と思います。
よい資格を作りたいと願う座長、メンバー、官僚の皆さんの姿勢に、注目が集まっています。

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