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2014年6月20日 (金)

「主治の医師の指示」に関する論点

「主治の医師の指示」について、
その内容や実際がどのようなものか、
まだまだ見えてきませんが、
緊ブロ的にいくつか論点を示したいと思います。

もちろん「医師の指示」を義務ではなく努力規定にする、
指導にするという考えを私は持っています。
しかしながら、
衆議院の文部科学委員会へ法案が提出され、
趣旨説明がなされた状況において、
「医師の指示」に関する具体的運用についても、
議論する必要があると考えます。

心理師が「主治の医師の指示」を受けるためには、
以下の6点からの検討が必要と思います。

1.本人(家族)の同意
2.守秘義務(医師及び心理師の)
3.緊急時の例外
4.心理師の所属する組織決定との調整
5.当該支援という限定
6.継続したサイコセラピーが主対象

まず、1.2.について、
当然のことながら、医療機関の組織外に医療情報を伝える場合、
医師の指示であっても、
医師の守秘義務違反の形で行うことは不可能です。
したがって、
本人または必要に応じて保護者の同意があって、
初めて組織外の関係者への指示が可能となると思います。
(安全配慮義務などで一定の例外はあります)

またその指示内容について、
本人の同意が取れていない場合、
病院外の心理職にとって、
どの程度指示に厳密に従う義務が生じるか、
簡単に判断できなくなります。
指示に従うかどうか留保するということもあり得ると考えます。
その留保の猶予は認められるべきと思います。
(記録への記載は必要かもしれません)

3.については、
緊急時は医師の指示を待っていては動けませんから、
当然、医師の指示を受ける前に対応して良いと思います。
この緊急は、
切羽詰まっての相談など、
心理職への初回相談の多くが含まれると考えます。

4.については、
厚生労働省の見解として、
一概に決められないというコメントがありました。
つまり、
ケースバイケースで充分に検討した上で、
主治医の指示に従わないという組織決定が、
充分な根拠と共に示されることがあるだろうと思います。
主治医に丸投げせずに、
組織が責任を持った判断をすることは、
より求められるようになるかとは思います。

5.について、
「当該支援にかかる主治の医師」とは、
病気の治療に関して中心的役割を持つ医師ということですから、
病気の治療以外の心理職の活動、
教育的支援や発達支援的関与については、
医師の指示を受ける義務は発生しないと考えます。
しかし、
本人の同意を得て必要ならば主治医と連携することは、
支援の質を上げるために推奨されるかもしれません。

そして、
厚生労働省のコメントにある、
医師の指示の趣旨(治療に悪影響を及ぼすことを防ぐため)に沿い、
上記の1-5の論点をクリアーするには、
継続したサイコセラピーを実施する場合に限定して、
医師の指示義務が生じると整理すれば、
この指示項目の趣旨に沿い実際的でもあると考えますが、
いかがでしょうか。
これが6.の論点です。

少なくとも狭義のサイコセラピー以外のさまざまな活動、
コンサルテーションや啓発活動、災害や事故時の緊急支援において、
絶対に主治医の指示を受けなさいというのは、
心理的支援を受ける国民の立場から遊離した主張かと思う次第です。

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コメント

ご承知かと存じますが、法案本文は下記のURLに記載されております。
pdf版、縦書き
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/html/h-shuhou186.html#hou43
html版、横書き
http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18601043.htm
公明党厚生労働部会部会長 古屋議員ブログ
「医師の指示」が明記されることで、これまで、学校現場などで行っていた業務が、円滑にできなくなるのでは、という反対の声が出ていました。
その点を自民党と協議し、「文部科学省、厚生労働省令で定める・・・」の1項を加え、支障が生じることのないよう担保することで、合意しました。
(http://s.ameblo.jp/furuya-noriko/entry-11875773203.html)
は法案の第四十五条のことでしょう。
第四十五条2の"規定"よりかは第四十五条の"改廃"、"合理的"がどういう意味を表すのか考える必要があろうかと思われます。ある程度見極めてから、将来的には、改正案で指示から指導or連携に改正していく的なイメージでしょうか?

いろいろとありがとうございます。
その通りと思います。
第四十五条の"改廃"の規定を最大限尊重しながら、
法案の5年後の修正が重要となりますね。
もちろん本法案成立までに修正可能ならば良いのですが、
そこまで国会議員に理解していただくのは難しい情勢と思います。
それまでは具体的な運用で、
国民への不利益をなるべくなくすような努力を、
せざるを得ない状況と考えます。

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