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2014年5月 7日 (水)

主治医が病院外の心理職に「指示?」をしたくなる場面&その心理について

5/5のブログで触れましたが、厚生労働省の担当者が、なぜ主治の医師の指示としたのかについて、以下のような説明をしています。

"心理状態が深刻であるような者に対して公認心理師が当該支援に係る主治の医師の治療方針に反する支援行為を行うことで状態を悪化させることを避けたい"

ここでいう「主治の医師の治療方針に反する支援」の内容とは何か?
ということが重要なところです。

医師の指示という強力な方法を用いなければならないほど、
大勢の心理職が治療方針に反することを行っていて、
たくさんの患者さんの状態が悪化している、
という現状があるのでしょうか?

私にはそのような問題が頻繁に発生しているとは思えないのですが・・。

厚生労働省の担当者の方も、
一生懸命に考えて患者さんが悪化しては困るということで、
この医師の指示を主張していると思います。

どのような悪化を心配しているかいくつか考えてみました。
主治医がそれはやめて欲しいという場面でしょう。

1)精神病の発症初期で、医師が薬物療法を開始して、しばらくは内省的なサイコセラピーは行わず、安定するのを待ちたい。そのような時に、内省的なサイコセラピーを行なう心理職がいたら困る。

2)患者さんに合う薬がなかなかみつからず苦心して探している段階に、サイコセラピーを勝手に始められて、患者の状態に複雑な要因が加わり、本人に合った薬物療法を絞り込むことが難しくなった。

3)処方薬に副作用が出てそれを医師との信頼関係の中で扱い乗り越え、薬の効果が出る容量まで増やそうとしている時に、薬の効果に対してネガティブな話を引き出すようなサイコセラピーを行ってしまう。

4)主治医の方針としてはまだ早いと考えているのに、病状が安定せず休職している人が焦って復帰しようとしている時に、心理職が頑張ってやってみればと背中を押す対応をしてしまう。

5)病態水準が悪い患者さんに対して何とか薬物療法で安定を目指していたのに、本人が家族葛藤を語るのを止めることができず、傾聴し続けてしまったことで、リストカットなどの問題行動が頻発する。

他にもあると思いますがひとつ言えることは、
このような状況にある局面においては
主治医はかなり苦心して患者さんに対応している治療の正念場であろうということです。
と同時に、
本人も苦しんでいて何とかしたいともがいている局面でもあるでしょう。

このような局面において、
心理職は、その本人の苦しみや焦りに寄り添いながらも、
主治医の苦労と慎重さを理解しつつ、
冷静さを持って心理学的見立てを行っていかなくてはならないですね。

またこのような局面においては、
本人と主治医との関係が微妙になっていることも多いでしょう。
その微妙な関係を何とかしようと医師が必死の努力をしている時に、
その微妙さを理解せずにサイコセラピーが、
主治医の思いとは別なところで開始されそうになるならば、
主治医としては残念さや時に憤りを感じることもあるのかもしれません。

その憤りが、
「指示」=命令、という非常に強い表現を、
病院外の心理職に対しても課すという主張につながっているかもという気もします。
どうなのでしょうか?

もちろん、
心理職が医師ときちんと連携し、
また自らの見立て力を持っていれば、
心理職のかかわりによる状態悪化は、
かなりのところまで防げるのだと思いますが・・・。

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