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2014年5月16日 (金)

医師のパターナリズムの光と影

「医師の指示」についてずっと取り上げていますが、
この問題の根幹のひとつに、
「医師のパターナリズム」と患者の自己決定権のテーマがあると思います。

パターナリズムとは、
日本語で家父長主義とか父権主義と訳される通り、
権力や知識があるものが、
権力がなかったり知識がない人に代わって、
本人の利益のために(時に本人の意思に反して)介入する、
その考え方を指します。

医療の分野でこのパターナリズムは、
時に患者の自己決定権とコンフリクトを起こすこともあります。

パターナリズムというと、
少し古い話のように感じる人もいると思いますが、
精神科領域ではこの考え方で物事が進むことも多いと思います。

たとえば強制入院である措置入院は、
本人が拒否していても精神科医2名の判断で行われます。
また医療保護入院では、
本人が拒否していても、
保護者が同意することで、
行われることになります。

パターナリズムによって本人を保護し、
本人を守るということですね。

今回の「医師の指示」問題も、
医師のパターナリズムのひとつの表れとみることができるでしょう。

基本的には誰かに相談する本人の意思を妨げることなど、
誰にもできないことと思いますが、
精神科通院の患者さんには、
本人の自己決定権に任せて心理相談をさせては、
大きな不利益が発生する可能性がある。
そこで医師のパターナリズムの考え方を発動し、
心理師は「医師の指示」のもとで動くようにして、
本人が心理師と相談することによる不利益が起きないよに、
高所から介入するということになる。

通常パターナリズムは、
本人に対して発動されるのですが、
今回はスタッフ側である心理師に対して行われる。
とっても不思議な感じです。

#公認心理師法案骨子に関する各意見の紹介はこちら

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医師の指示」カテゴリの記事

コメント

医療機関外における指示の問題は重大です。
SCの場合、学校に介助員が不足している場合、自閉症スペクトラム障害やAD/HDと診断されている児童・生徒について介助員的役割を指示された場合、それを拒むことはできないでしょう。
あるいは、登校しぶりで医療機関を受診している児童・生徒に、一世代前の精神科医から「登校刺激は与えず、受容的・保護的に傾聴すること」と指示が出されたら、行動療法により早期に改善が期待できることが見込まれる者に対して、介入を行うことができなくなることもありえるでしょう。
「指示」が改善されない限り、軽々に公認心理師に賛同することはいかがなものかと。

ひこざえもんさん
コメントありがとうございます。
医療機関以外での指示について、
さまざまな点で問題が多い点、ご指摘の通りと思います。
このような問題点を積み上げていくことで、
診療補助職ではない職種への「指示」が、
どれほど限定的なものとならざるを得ないかを現場の意見として示していくこと、
それがいま求められていると感じています。

こころしかくさん
おっしゃる通りだと思います.
ところで,臨床心理士有志の会さんのブログに「日曜日に心理臨床学会社員総会で決議された、公認心理師案の医師の指示条項への要望書の議連への提出を、野島新理事長が独断で延期した、との情報」とありますが,これは私の方では,情報通りであることを確認済みです.
このことについて,こころしかくさんはどう考えるか,もし,よかったら教えて下さい.

日曜日の心理臨床学会社員総会において「医師の指示ではなく連携に」ということへの採決は、社員総会の審議事項ではなく、常任理事会に取り扱いをまかせる事案として行われたと聞いています。ですから、ここから先は私の推測ですが、この採決結果の扱いは、社員総会後の常任理事会で議論されたのではないでしょうか?そこで野島理事長が独断で延期したというのは、そう言っている常任理事がいるということでしょうか?
組織決定としては、常任理事会で扱いが話し合われたというのが正しい認識のような気がします。
常任理事会での議論の内容はわかりませんが、私は議連の先生方や各省の担当課長に、学会の意見としてそのような意見であることを伝えるべきと思いますし、どのような手段かはわかりませんがそうされるはずと思います。

こころしかくさん
議連の議員に伺ってみました.
残念ながら,議連には伝えられませんでした.
本当に残念ながら,そうされるはずではありませんでした.
この状況を,こころしかくさんはどう思われますか?

ひこざえもんさん
繰り返しになりますが、
私は伝えるべきという立場です。
しかし、
議連に正式に伝わっていないとするならば、
それは幹部側に意図があってのことと思います。
どのタイミングでどのように伝えるかは、
彼らの政治的な判断があると思いますし、
それを尊重したいと思います。

ちなみに、
ひこざえもんさんがおっしゃていた、
野島先生が独断でという部分ですが、
私は組織決定であろうと考えているのですが、
(そう述べましたが)
この点は情報はありましたでしょうか?

それから、
議連の先生と直接お話しできるお立場のようなので、
もしご存知ならば教えていただきたいのですが、
今回の「医師の指示」を強く主張されているのは、
どちらの団体なのでしょうか。
そして議連の先生方は、
その団体の意向を組まなければならない事情があるのでしょうか?

もちろんうわさ話としては流れてくるのですが、
はっきりとさせておく必要があると思います。
そしてその主張が、
どのような結果を招くことになったかも、
将来検証する必要があると思います。

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