2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 論点の整理に向けて | トップページ | 対人サービス職の国家資格について »

2005年7月31日 (日)

医師と臨床心理士が協同でめざすもの

現在、この「緊ブロ」の2005/7/27のエントリー「速報! 今国会の国会上程見送り」のコメント欄において、国家資格の是非をめぐり、医師や臨床心理士の激論が行われています。とても印象深いので、お時間のある方はぜひとも熟読をお願いします。

私はこの議論をとても感慨深く読んでいます。このように医師や臨床心理士が、自由に議論し、しかしお互いの感情的非難の応酬とならないような形で話し合いが進んでいることに、ちょっと大げさなのですが感動しています。こんな機会はこれまでそうなかったのではないでしょうか。

もちろん、論点が錯綜することもあるのですが、これは自由なディベートのご愛嬌ということで・・・。ぜひ皆さんも議論に参入してください。そして、少しでも立場を超えた理解が深まればと思っています。

もちろん、医師や臨床心理士が理解しあうことのみで、満足してはいけません。何よりも大切なことは、今の日本のさまざまな心の問題(幼児虐待、不登校、青少年犯罪、犯罪被害、自殺、災害被害、高齢者の問題などなど)に、心の専門家がどう連携しながら対応するか、国家がどういう対策を行いそこで各種専門家がどのような役割を持つか、国民ひとりひとりが心の問題に関心を持ちセルフケアすることをどう支援するか、などでしょう。

つまり、国家的に大きな課題となった心の問題への対応として、医師や臨床心理士、その他の専門家が、どのようなチームを作り、どんな役割を持って臨むか、その制度について最終的には議論していければと思います。

もちろん、近年の心の問題の深刻さを思うと、医師や心理士が仲たがいしている場合ではないのかもしれません。密接に協力し合ったとしても、それでも事態の深刻さに圧倒されてしまうような日本の現状があると思うのです。しかし、今回の国家資格騒動で、まずはお互いが理解しあうための議論が重要であることが浮き彫りになりました。そして、その機会が極端に不足していることを思い知りました。

ぜひとも、「国民の健康や幸せ」を意識しながらの議論ができればと考えます。ブログならではの本音の語りを期待します。

« 論点の整理に向けて | トップページ | 対人サービス職の国家資格について »

あるべき心理職国家資格の姿」カテゴリの記事

コメント

この場で意見を述べて良いのか迷いましたが、ここなら、多くの心理職・精神科に関わる方々が読まれてると思って、コメントしました。 場違いなら削除されてください。

今、ある記事を読んで本当に驚いたので、この疑問を解決したく、書き込んでいます。 記事というのは、先日お亡くなりになられた議員の方のこと。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050802-00000201-yom-soci)まずはお読みになってください(内容自体をここの書き込むのも気が引けますので)

驚いたのは、
守秘義務というのはいったいどうなっているのかということ。
いくら 警察・法がらみだとは言え、それは法廷においての、それも、誰かの身の危険等に関わることに対して、守秘義務が解かれるのでは??
こんなメディアで大々的に取り上げられていいのですか?それも、まだ関連性がはっきりしないのに?

私は、アメリカでの倫理規定しか習っておりません。まだ、この記事に関わって、守秘義務が除外されるかどうか、もっとリサーチします。

でも、私たち日本人にとって、メンタルヘルスに対する抵抗が西洋の何倍も強いことを考えれば、守秘義務、心理治療に関するプライバシーの確保というのは、今後、皆さんが安心して治療を受けるために本当に大切な事ではないでしょうか。
特に、保険が利いて、得点制になるようなことになるのであれば・・・

すみません、個人的意見です。 もし、私の認識不足が原因であれば、すみません、訂正お願いします。

sakuraさん

ご意見ありがとうございます。今回の痛ましい報に心が痛みます。ご本人のご冥福をお祈りするとともに、ご家族、関係者の方にお悔やみ申し上げます。

まだ起こったばかりのことで、また心痛む事態なので、コメントしずらい状況です。また、このブログの趣旨と異なる内容なので、皆さんもコメントしづらいと思いますので、ブログ管理者として簡単ですが書き込みさせていただきます。

「守秘義務」ということですが、ご指摘の点は、関係者の守秘、医療機関の守秘、警察の守秘、(マスコミの守秘)のどの点になりますでしょうか?たぶん、警察が捜査の中で知りえた情報を公開してよいのかということかと存じますが、それでよろしかったですか。(警察の捜査に対して医療機関や関係者が情報提供などの協力を拒否することはできないと思うので。もし医療機関が情報提供を拒否した場合は、警察から捜査令状が出てカルテ押収となるか、そういった圧力に少なくともさらされるでしょう)

また、マスコミが知り得た個人の情報を報道してよいのかという点も疑問としてあるのかと存じます。

基本的に守秘を我々専門家は守るべきであり、関係者にも守秘と守るよう伝えるべきなのですが、今回のような場合、次の観点からの圧力にもさらされます。

①公人の重要な情報は国民に知らせるべきである
 (有名人の死亡記事で死因や治療歴が報道されることはある)
②自殺の原因に関する情報開示はある程度なされるべきである
 (警察は自殺の原因に関して捜査する訳ですが、その捜査情報は秘密するより報道した方がよいという考えがある)(公権力に対するマスコミや国民の監視という意味も含め)
③「自殺=うつ」ということで政治に及ぼす影響を和らげる
 (自殺の原因とされたものが残されたものに強いメッセージを与える場合があります。うつという病気で説明することで、政治に及ぼすメッセージを中立的なものとします。病気だったら・・・、という考え方です)

ちょっとピントのずれたコメントで、あまり答えになっていないかもしれません。守秘の問題もあるけれども、知る権利とプライバシー保護という警察やマスコミにかかわる大問題でもあり、それらの充分な検討なしに報道が先行している、といった感じでしょうか。

はじめまして。いろいろなブログを読んでいて、
言いたくなったことをまとめたブログを作りましたので、
もしよかったら読んでみてください。
http://blog.livedoor.jp/realize_now/

こころしかく様
sakuraさんへのコメントで、細かいところですが重要な点なので、明確にさせてください。

<・・・・・・・・・・(警察の捜査に対して医療機関や関係者が情報提供などの協力を拒否することはできないと思うので。もし医療機関が情報提供を拒否した場合は、警察から捜査令状が出てカルテ押収となるか、そういった圧力に少なくともさらされるでしょう)・・・・>

とありましたが、正確な文言は忘れましたが、刑法105条に、「医師、薬剤師、看護師、・・・は、 職務上知りえたことについて、警察からの強制捜査を拒否することができる」とあります。私(医師ですが)も実際にこの法律を用いて警察の「カルテを提出せよ」という強制捜査を拒否したことがあります。もちろん、警察は刑法105条のことはよ~くご存知だったようで、私が「刑法105条に従って拒否します」といったとたん、それまでの脅しの態度はガラッと変わりました。
ただし、裁判所からのカルテ提出指令は(弁護士さんによると)難しい~もしくは争点になることらしいです。
対人援助の場面では、さまざまな機会に警察や上部から圧力がかかりますが、圧力がかかったから、ということで言うなりになるのなら、専門家の看板は降ろしたほうがいいと私は考えます。どういった選択がクライエントにとって治療的か、ということのみが、行為の基準になると思います。クライエントとの契約を守るということは、それほど難しいということでしょう。
このブログの論旨からはズレますが、「国家(資格)」を論ずるのに、「国家権力」の問題は避けられないと思うので。

たしかに、この文脈で圧力うんぬんを問題にするのは、
おかしいと思います。

ただ、「法的な」意味でいえば、
死者の個人情報に対しては「守秘義務」は無いはずなんですよね。

とはいえ、個人情報が死後であれあからさまにされる、というのは、
決していいこととはいえないので、
法律ではなく、倫理的な観点からの検討は必要とは思います。

今の場合ですと、情報源が親族で「公表してもよい」と言っているのか、
それとも、医療関係者が漏らしたのか、
それとも、記者が知人からの聞き込みで得た情報なのか、等によって、
評価が違ってくると思います。
専門家の守秘義務という観点からは、
医療関係者が漏らしたのだとしたら問題ですが、
それはあんまりありそうもないと思いますが…。

それ以外でしたら、報道の自由や「知る権利」と、
個人のプライバシーとの兼ね合い等の問題であり、
sakuraさんのいう「守秘義務」とは、観点が違ってきますよね。
いかがなもんでしょう。

記事読みました。すみません。
「警視庁成城署などの調べで分かった。」とありますね。

おそらく、これは、
1.死者に関して守秘義務はないので、違法にはならないこと。
2.国会議員として、公人という立場から、
  プライバシー保護よりも、国民の「知る権利」が重視されていること。
  (…と少なくとも警察や新聞社は、そう考えていること。)
によるのではないかと思います。
(おそらく。間違いや不備があればご指摘ください。)

個人的には、死んでいるからといって、
こういうことが明らかにされるのは、
あんまりいい感じがしませんけどね…。

どちらにせよ(法的にも、倫理的にも)、
遺族の同意は必要でしょうけどね。

私の疑問に対して、丁寧に答えていただいてありがとうございます。自分なりに、アメリカの倫理規定を調べてからと思って、コメントを控えていました。先学期倫理の授業を取ってみて、守秘義務に関してかなりの論争・訴訟が行われているという印象でした。守秘義務は、家族に対しても本人または他人の生命に関わる時点までは絶対的に守られており、本に関しても、拒否権があったと思います。この点に関してはもっと調べますが、捜査令状に関しても生命に関わる事件に関してだけだったように記憶します。

ただ、日本において守秘義務がはっきりしていないという印象があります。以前学校で働いていたのですが、スクールカウンセラーの守秘義務に関してのガイドラインは知らされていませんでしたし、教師とカウンセラー間でかなりの範囲で情報交換がなされていたように感じます。
そのときはまだ若かったので(?)生徒の気持ちに同情して、彼らの信用が裏切られたように思ったりもしました。

もちろん、アメリカとは違い、日本では教師もカウンセラーのように生徒に深く関わるし、危機が起こる前に先手先手で動く、家庭訪問もする、という、プライバシーとの線引きが難しいとは思いますが・・・

そういう印象があったので、学校・警察などの、政治的圧力がかかれば、守秘義務はないに等しいのかなあと。。。

しかし、守秘義務があればこそ、自分の痛み、人には言えない苦しみを打ち明けられる、「信頼を育てる安全な場」を提供する上で一番の土台だともいます。
また、保険が利くようになれば、薬の点数、セラピーの種類、診断名、なども守秘されるのかどうかという不安(会社の保険を使ったら人事にわかる?とか)も、敷居を高くする原因になるのではないでしょうか・・・

そのへん、勉強している私たちにも不透明ですし、まして、一般の方にはもっとわかりにくいですよね。

重ね重ね、色々教えていただきありがとうございます

こんぴらさん、デスマさん
コメントありがとうございます。

守秘義務の問題、刑法第百三十四条ですね。「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する」

ここで正当な理由というのが、最大の争点となりますね。警察は事件性の捜査ということで「正当な理由」を持ち出すでしょうし(これが圧力の意味)、医療側は「正当な理由でない」ことを盾に守秘を守ろうとする。どちらの正当性が法的に支持されるかということになるのだと思います。

デスマさんのご指摘の通り、ここで遺族の同意の有無も重要な判断材料となるかと思います。さらに言うなら、遺族内で意見の相違がある場合もあるので、そうなるとますます難しい判断に迫られるということでしょう。このあたり精神科医の皆さんの経験ではいかがなのでしょうか?

ところで、刑法第百三十四条の守秘義務は、該当者の死亡の場合は守秘義務解除の「正当な理由」となるのでしょうか?デスマさんの意見では守秘義務なしということですが、これは刑法の文脈ではないような気もします。

sakuraさん
重要な問題提起ありがとうございます。学校でのご経験については、二者関係内の守秘とチーム内守秘(または組織内守秘)という課題を提起する内容と思います。この2つをどう使い分けていくかが、臨床家の大きなテーマでもあります。

昨日(8/4)、亡くなられた議員さんのお葬式がありました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

ちょっと調べてみましたが、
やはり刑法134条でいう「人」には、死者は含まれません。
死者は、法的な権利や義務の主体には、なれないのです。

まあ、だからって、何でもかんでも報道していい、とは思いませんけどね。

「医師と臨床心理士が協同でめざすもの」というタイトルですが、共同で目指すものはクライエントの治癒でしょう。
 しかし、心理職の国家資格化は、医療心理師と臨床心理士の当事者が共同で目指すものであり、医師と共同で目指すものではないと思います。勿論、関連職種ということで利害が対立しないように調整し、仕事では協調していくものでしょう。職種間で対立はあっては困りますが、相手の職種に対する理解を進めていくことであり、医師の望む形でなくては国家資格化を阻むという考えでは困りますね。勿論、患者やクライエントに求められ、医師を含む医療や他領域で求められる資格であって欲しいと思います。

こころしかく様
「医師、薬剤師、看護師、・・・は、 職務上知りえたことについて、警察からの強制捜査を拒否することができる」とあるのは、刑法105条ではなく、刑事訴訟法105条の間違いでした。きちんと確認しないでコメントして、すいません。
正確には、以下のとおりです。
<第105条 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保守し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。《改正》平13法153>

イチ心理さん
ご指摘ありがとうございます。

>共同で目指すものはクライエントの治癒でしょう。

その通りです。「クライエントの治癒」または「こころの健康」回復が、医師や心理士のみならず多職種が共同で目指すところですね。これは大前提として合意できるところと思います。

>しかし、心理職の国家資格化は、医療心理師と臨床心理士の当事者が共同で目指すものであり、医師と共同で目指すものではないと思います

私はイチ心理士さんの言いたいところはわかるような気もするのですが・・・。まず、医療行為に抵触する部分については、当然医師や厚生労働省とも「共同」で検討する必要があるでしょう。

問題は、地域(医療外)の領域ですね。医師の方々も地域において活躍していますし、国民の健康に広く貢献していると思います。ですから、心理士の地域活動のあり方(国家資格化も含めて)について、医師と共同で進めていくべきと私は思っています。

ただし、医師(またその関係者)の方の中には、医療機関外の地域活動(特に心理士の活動)をあまり知らない(また知ろうとしない)のに、地域における資格は必要ないという人がいるので、それは違うな、と感じる訳です。

特に、地域の活動すべてに医師の指示をかけようとする論調や、地域の活動も医師がやればよく心理の活動は民間資格で充分、という考えの背景には、医療の価値観を地域に拡張しようとする(また意識せずともそうなってしまう)思考が根強くあると思います。

イチ心理士さんは、この点を危惧されておられるのではないかと思うのですが、いかがですか?

こんぴらさん

情報ありがとうございます。
刑事訴訟法ですね。

デスマさん

調べていただいてありがとうございます。

同じく刑事訴訟法231条に告訴に関する規定があります。
「第二百三十一条 2 被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない」

刑法134条の守秘義務の罪は親告罪ですから、告訴を遺族ができるという上記の刑事訴訟法があるならば、死者であっても遺族を通して罪を問えるということになるかどうか。このあたりは実際にはどうなのでしょうか?

また、同じく刑事訴訟法233条に死者の名誉毀損罪の規定がありました。
「第二百三十三条  死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫は、告訴をすることができる」

ただこちらは、刑法230条に名誉毀損の規定があって、
「2  死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない」

となってるので、職務上知り得た情報が「事実」であるならば、罪に問われないことになりますね。事実であるならば、赤裸々なプライバシー情報を漏らしても名誉毀損に該当しないということであるならばちょっと納得できない感じです。

もちろん、自殺やその他の治療上の問題が発生した場合は、実際には遺族に誠実に治療内容を説明することになるだろうし、遺族にしない話を他者に話すことは考えられないと思いますが・・・。

>ただし、裁判所からのカルテ提出指令は(弁護士さんによると)難しい~もしくは争点になることらしいです。

>但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。《改正》平13法153>

捜査段階では拒否できても、公判で提出を求められたら、提出しなくてはならない確率が高い、ということなんだろうと思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/113171/5242682

この記事へのトラックバック一覧です: 医師と臨床心理士が協同でめざすもの:

» 医療領域限定での国家資格化への危惧 [臨床心理士デスマのつぶやきBlog]
最近できたブログ「心理職の国家資格化実現検討委員会」のエントリ「『医療限定』国家資格?」、「必要なふたつのこと」および、「全心協に言いたいこと」を読んで。他領域(医療以外の領域)での現職の一人として、医療領域限定で心理職の国家資格化がなされた場合の危惧をまとめたいと思... [続きを読む]

« 論点の整理に向けて | トップページ | 対人サービス職の国家資格について »