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« 精神科医団体からの反対意見をどう読むか | トップページ | 「日本精神神経学会」の緊急見解から »

2005年7月25日 (月)

今の局面で思うこと

「臨床心理士&医療心理師国家資格法案」がどうなるか重要な局面を迎えています。政治レベルの密室の調整がなされている訳ですが、主にインターネット上の情報を基に私見も述べながら、この局面を考えたいと思います。この日本における「心の支援の専門家」をどう形作っていきたいのか、それぞれのご意見を今後もいただければ幸いです。

まず、今週中にはこの法案をどうするか、政治的な方向が示されると思います。国会の会期末を考えると、今週中に動かなければならないという事情があります。

未確認情報ではありますが、7/27(水)の与党の会議で結論が出るという話もあります(参照ブログ)。ただし情報の出所が「全心協」とのことなので正確かどうかわかりません。

一方、鴨下議員ブログからは、「応援してください」というエントリーがありました。これは今回の反対の動きを無視できないというメッセージと読むのがよさそうです。それはそうでしょう。「日精診」「日精協」のみならず、日本医師会が会見まで開いて法案が「未熟」という見解を述べました。支持母体から反論されたのは苦しいところです(日医白くま通信)。

日医の見解は、法案の問題点を2つ(「業務範囲が広すぎる」「業務独占でない」)挙げています。ただし、この記事は全文ではないと思われるので、ぜひ全体の内容をご存知の方は教えていただければと思います。この見解の会見での言った言わないが後々重要になりそうな予感がします(特にマスコミ関係者の方、情報を!)。

日医の見解の中で「業務範囲の広さ」については、このブログのコメントをみても、医師の方々がひっかかりやすいところのようです。最近のエントリー「精神科医団体からの反対意見をどう読むか」の平陽一さんのコメントが、医師の観点からはわかりやすいかもしれません。

また私の意見を再度述べると、「心の支援ニーズのあるところに心の支援サービスがある」のは当然なことであり、「業務が広くなること」が社会からの要請であるということです。たぶん日医の見解は、心の支援の専門性や質を問うていると理解したいと思いますがいかがでしょうか。もしそうならば、じっくりと議論できるとと思います。

これまでも努力していると思うのですが、心の支援の質を上げどう国民の期待に応えていくか、精神科医の先生や看護職の方、福祉関係者その他の方々とどう連携し、臨床心理職はどのような役割を担っていくか重ねて謙虚に考えていければと思います。

「業務独占でない」という日医の見解は、よく考えるとそれはないのではないかと思います。鴨下先生はじめ国会議員の方々は、かなり早い段階で心理学的行為を「医行為でない」と整理しました。保助看法を解除しないという政治的判断をしたのです。これは彼らの大きなアイデアであり、日医も基本的にはそれを了承したのだと思います。そうでなければ、7/5の法案骨子はできあがらなかったはずです。

それなのに、日本医師会が(下線追加:2005/7/26AM8:30)今になって「やはり業務独占でなければ」「保助看法を解除してない」というのは、それではこれまでがんばってきた鴨下議員をはじめとした国会議員が浮かばれないと感じます。彼らは心理職の国家資格の重要性を真剣に考え動いてくれているわけですから・・・。

それはともかくとして、「日医としても、このような臨床心理士・医療心理師などの職種についての身分法の制定は必要だと考えている。この火が消えることは何としても避けたい」と述べ、日医の方が「臨床心理士」の身分法に言及したのは、大きな前進と考えます。私はこの言葉を決して忘れません。

ここ数日、当然のことながら、精神科医療関係者や臨床心理関係者、その他の関係者が、国会議員に対するロビー活動を行っている情勢のようです(当然ですよね)。

臨床心理士関係では、請願に協力してくださった国会議員の方々がおられるし、日精協にも政治連盟を経由した国会議員がいます。これらの議員の方々の政治的調整によって、この法案の扱いを当面どうするかの結論がここ2,3日中にでるでしょう。

どのような結論となるか・・・。

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政治における情勢」カテゴリの記事

コメント

「業務範囲が広すぎる」ことについて、受診が遅れるとありましたが、実際に相談をしている経験から、念のため、子どもなら小児科や心療内科、大人なら内科や精神科、婦人科などの受診を積極的に勧めることが多いのが実態ではないでしょうか。私はそうしています。臨床心理士の仕事のスタンスの原則が日医の皆さんに十分伝わっていないようで、残念ですが、今からでも解決していける問題かと思います。

精神科などは、まだまだ敷居が高いので、受診率がかえって上がるかもしれません。臨床心理士側にこういう点についてのデータがなかったでしょうか?実際いろいろな場で働いている臨床心理士がどのくらい精神科医と協働や連携をしているのか、データで示してきていなかったのかな、と思いました。

どなたかご存知ありません?

「業務独占」に関しても、話し合って調整可能な範囲ではないでしょうか。

みなさん、できることとして、新聞の投書欄に紳士淑女的な態度で心理職のこれから、について投稿してみませんか?

日本精神科診療所協会の会員で、関西の地方都市で精神科診療所を開業しております。事実関係の誤解というレベルでの不幸な対立を避けるために少し情報を整理したいと思います。

> 鴨下先生はじめ国会議員の方々は、かなり早い段階で心
> 理学的行為を「医行為でない」と整理しました。保助看
> 法を解除しないという政治的判断をしたのです。これは
> 彼らの大きなアイデアであり、日医も基本的にはそれを
> 了承したのだと思います。そうでなければ、7/5の法
> 案骨子はできあがらなかったはずです。
(こころしかくさんからの2005.7.25 23時55分の発言の引用 )

既に、書かれたことに繰り返しになりますが、7月5日まで日本精神科診療所協会、日本精神病院協会、精神神経学会などは、現在の法案の内容を全く知らされていなかったというのが真実のようです。鴨下議員ブログには「本法案はさまざまな分野の意見を調整しつつ進めてきましたが…」と書かれていますが、上記医療関連団体への相談はなかったようです(国会議員同士の話はしたのかも知れませんが、組織への正式な話はなかったというのが真相のようです)。つまりこの記述は正しくありません。それまで行われたという10回余りの打ち合わせにも医療関連団体は呼ばれなかったようです(過去には呼ばれていたそうです)。

7月5日に日精診幹部に「臨床心理士および医療心理師法案」の情報が伝わり、その後、三野会長が会員へ情報を流したり関係団体と折衝を重ねたりと対応に追われながら現在に至る訳なのです。

つまり、”意図的に医療関連団体に情報を隠蔽した形で”作業は進められたと言うことですね。7月5日までは、私を含め、医療関連団体に所属している精神科医は「医療心理師法案」が提出されるものと信じていたわけです。ところが7月5日に「臨床心理士および医療心理師法案」なるものが登場し、日精診としても寝耳に水で慌てふためきながら対応に奔走している状況です。

議員立法は、国会に上程され早ければ数日で可決されてしまいます。おそらく医療関連団体が反対意見を述べる間もなく国会で可決しようと言う作戦を誰かが考えたのでしょう。しかし、このやり方は信義にもとることになります。もめるのは必然とも言えるでしょう。成立してもしなくても、禍根を残しかねません。

この度の混乱がひとつのきっかけとなり、心理学の臨床応用に関する資格が如何にあるべきかについて国民レベルで議論が深まることを望んでいます。
ちなみに私はEMDR、催眠療法などの心理療法にも力を入れた診療活動をしており、心理学の臨床応用をする人たちとの共同作業により、より多くの患者を救うことができればと願っておりますし、そのための資格制度は必要だろうと思っています。私の意見を書くと話がややこしくなってもいけないので、ここは情報提供だけに留めておきます。私の意見はこのブログの論調とはちょっと異なり資格に関しては限定的な考えを持っていますので。

 今回の騒動を、”この期を逃しては未来永劫国家資格化はない”とか、医療対心理の利権争いだとかいうレベルで解釈してしまうのは、非常に惜しいように思います。こころしかくさんにしても、その他のブログを管理されている臨床心理の先生方にしても、とても大人の反応をされていることに敬意を表します。もしも、精神科医の実態はどうやねん!という突っ込みをされれば、黙り込むしかない部分がないとは言いません。日精診にしても、見解は過激ですが、実質的に運営している執行部は心理職の先生がたについて、その専門性を認めたうえで、あのような過激な見解を出さざるを得なかった経緯があるのではないかと推測します。(わたしは、執行部ではありませんので、推測ですが、当たっていると思います。)
 少し不思議に思うのですが、このブログでも日本精神神経学会の緊急見解7月21日には、あまり触れられていませんが、この見解についてはどのようにお考えなのでしょうか?
 ことは、心の健康というおそらく法文上始めて使われる文言を含んだ、非常に重要な法案ですから、たとえば法文にある「心」とのWHOの健康の定義にあるmentalと関係、あるいは「心理学的」との関係は、どのように規定されているのかが、最も重要な問題ではないかと思います。日精診見解にある「概念の外延の明示」という問題は、精神医学を専らとする立場のわたしにとっては、肯ける問題提起に見えます。

3名の皆さん、コメントありがとうございます。
すべてのご意見が奥の深いものであり、私の中で思うことがあふれます。すべてにコメントできないので後ほどと思いますが、ふたつほど。
ひとつは、私の今回のエントリー記事で、誤解が発生しないために(特に、本多さんのコメントに対応しています)、一部加筆しました(本文中は下線で示してあります)。ちょっと校正っぽくて変なのですが、記入の日時が大きくずれることはよくないと考えこうしました。「日本医師会」は知っていたはずなに・・・、というのが私の疑問です。
本多さんのコメントもうかがい、他の日精診関係の方のご意見も拝見して、私は本当に驚いています。「保助看法を解除しない」という重要な方針やその他の情報が、当事者とも言える精神科医関係団体の方にほとんど伝わっていなかったということですね。ちょっと言葉を失います。全心協のホームページには、「医療心理師」要望の連名団体に、さまざまな団体が入っていますが、これらの団体への連絡や話し合いもなされていなかったということでしょうか。もしかして、「医療心理師」推進の団体間で意見交換の定期的な会も開かれていなかったということですか?
もうひとつです。こころさんかくさんがおっしゃっている「日本精神神経学会の緊急見解(7/21)」の存在を私は知りませんでした(ずっと気になっているのですが、精神神経学会ホームページにはないようです、私が探しきれていないだけ?))。ぜひ内容を教えていただければと存じます。

下記が「日本精神神経学会の緊急見解(7/21)」です。

平成17年7月21日
「臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子」に対する緊急見解
社団法人 日本精神神経学会
               理事長 山 内 俊 雄

 本学会は、医学医療を初めとしたさまざまな領域における心理職の活動、身分等については、国家資格化が必要であると認識し、これまでその法制化に賛同してまいりました。
 しかしながら、このたび公表された「臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子」(以下、「要綱骨子」)につきましては、医学基本領域学会の中で最も近接の専門学会として、また「要綱骨子」が包含する医学医療・保健・福祉・教育・その他の分野において、すでに長年にわたり活動してきた専門家集団として、以下のような事由により重大な懸念を認めたため、緊急見解を表明いたします。
 関係各位には、国民の心の健康の保持・向上に禍根を残し、当事者の不利益につながることのないように、拙速な法案上程を避け、関連する医学医療の団体や学会と十分な協議と検討を行うことをお願い申し上げます。本学会は、今後とも適切な国家資格化法が制定されるように、微力を尽くす所存です。

1.臨床心理士と医療心理師の行う業務について
 両者が行う業務とされている、相談、分析、助言、指導、その他の援助とは、活動の分野や対象にかかわらず、その多くは医行為の一環であることが明確にされていない。とくに医療現場で医行為が規定されない場合は責任体制が曖昧となる。また、医療現場だけではなく、教育の場では、子どもたちが「不登校」の場合、実態は不安障害、適応障害、摂食障害、うつ病、統合失調症などの精神疾患であることが少なくない。労働の場では、就業困難な場合に類似の現象がある。こうした現実は、扱われる対象が精神疾患であるならば診断行為や心理社会的介入は医行為であり、精神科医の診療と密接な連携とによって対処されるべきであり、そのほとんどは精神医療の範疇に入るものである。臨床心理士が、それらの心理的対応において精神疾患の有無を判断しない場合、出来ない場合またその存在に対して適切な対処を欠いた場合、重大な問題が生じることになる。

2.臨床心理士と医療心理師の扱う対象について
両者の扱う対象の違いが不明確であるばかりか、精神疾患を有する患者、身体疾患に伴う精神疾患を有する患者、あるいはこれらから生じる患者の心の問題に重大な危険性が生じる。すなわち、臨床心理士は教育、保健医療、福祉その他の分野において「心理的な問題を有する者」を対象とし、医療心理師は「傷病者の精神状態」を対象としている。しかし、この2つの対象はそもそも分けがたいだけではなく、精神医学的診断を要するものである。これは、医学医療、保健、福祉の分野だけではなく、教育の場や労働の場でも同様である。これを法の文言として分けることは、「心理的な問題を有する者」の中の重要な精神疾患を見落とす可能性が高いので看過出来ないばかりか、「精神疾患」と「心理的な問題」とを切り離したり、「傷病者」の「精神状態」を特別視することは、精神医学・医療を曲げ、かつ精神疾患や身体疾患を有する方々への差別と偏見を助長しかねない。「心理的な問題を有する者」という表現は「医学医療」概念を覆い隠すためのものと言わざるを得ない。

3.臨床心理士と医療心理師の役割について
 臨床心理士は教育、保健医療、福祉その他の分野において「自由に」活動できるのに対し、医療心理師は医師が「傷病者」を扱う医療提供の場合でのみ活動できるとされている。両者の役割はあたかも別の領域であるかのように表現されているが、すでに述べたようにそれぞれの活動内容と対象者には本質的な差はない。したがって、2つの資格を設け、両者の権限・資格に格差をつけることは、合理的な理由がない。

4.資格認定が不十分であることについて
 医療心理師の試験は「厚生労働大臣」が行うことと明記されているのに対し、臨床心理士は「主務大臣」となっており、この相違の理由が不明である。臨床心理士も医療提供の場で活動できるように定めている以上、医療心理師と同一であるべきである。
 また、資格認定には、医療領域での臨床実習の経験が不可欠であるが、「要綱骨子」では全く触れられていない。現行の臨床心理士の臨床実習ははなはだ貧困であり、医学医療における臨床実習とは次元も質や内容も大きく異なっている。

5.医療現場で予想される混乱について
 臨床心理士と医療心理師という2つの資格が同一の職場で同一の業務に携わることは、医療現場におけるチーム医療においても、あるいはまた心理職が活動するさまざまの現場においても混乱を生じ、当事者に不利益をもたらすことが危惧される。

 いろんなご意見を見させていただき、大変参考になっております。読んでいてレスしたくなり書き込んでいます。精神神経学会の意見に反応したくなりました。
 まず、1の精神疾患を疑われるときは心理士は専門機関と連携をとります。危惧は理解できますが、もう少し我々の連携も信用してほしい。2に対し、対象の曖昧さはありますが、精神疾患まで行かず、悩みを相談する方もいます。学校現場や発達相談等で相談される場面が多い。この相談を何処が対応するのでしょうか。精神医学的は診断がつかないユーザーはどうすればいいのでしょうか。精神医療とかさなる部分とそうでない部分があるのではないでしょうか。3に対して、これは小生も同感ですが、2つの資格を1つの法案にまとめようとしてこういう事態になったと推察致します。4に対して、主務大臣とは、小生もわかりにくいと思いました。これについては、説明を求めたいです。誰かご存じの方いませんか。5に関して、全く共感しますが、3の見解と一緒です。法案についてのきちんと説明会があればこんな混乱は無かったのではないかと・・・・。
 これらの話しを、日医、日精協、日精診、精神神経学会、全心協、臨士会など関係諸団体が同じテーブルについて話し合えないものなのでしょうか。

日本精神神経学会の声明は、論理的には理解できる部分も多く、現在の心理職が抱える問題を的確に指摘していると思います。しかし、一方で、精神医療が抱える問題点も現実的に、考えていく必要があると思います。
医療機関の外側の問題について考えてみます。

学校現場での不登校、産業現場での心理的問題について、言及がありましたが、日本精神神経学会の声明の通りに、心理的なトラブルが問題化し始めたとき、まず最初に、精神科の病医院を受診し、精神医学的診断を受けてから、問題解決に入っていくという制度が確立していれば、何も他の手立てを考えることなく、最初から精神科の病医院を受診するはずです。
しかし、一般市民の立場からみれば、残念ながら、精神科診療機関への受診は、最初に来るものでなく、最後の選択枝です。最近は、都市部では精神科診療所のように気軽に安心してかかれる精神医療機関が増えてきましたが、堅い精神医療構造のイメージが根強く、ソフトな精神医療があることは十分認識されておりません。国民の意識は、精神医療をごく自然な社会システムとして受け入れる段階には至ってはいません。多くの精神科医が開業されると精神科神経科という標榜科名以外に、「心療内科」を用いられるのもこうした現実があるからだと思います。

不登校の問題でも、産業現場での心理的問題でも、まず、本人、家族や教師、同僚、上司、部下が、心の問題の異変に気づきます。気づいた人たちが自分たちの力だけでは問題への対処ができないと考えたとき、最初に考えることは、身近な心理的問題に精通した専門家に相談したいということです。このとき、誰に相談すればよいのでしょうか?

私は、以前、中規模の総合病院の救急医療の現場で勤務しておりましたとき(実質ER状態でしたので何でも屋でしたが)、救急車で運び込まれる自殺未遂、意識障害、薬物中毒、外傷、さらには不穏状態、譫妄状態などの患者は、一晩当たり数件を数え、その大半は精神障害を有する患者でした。身体合併症があれば、まずそちらを優先して対応しますので、応急処置を施した後、一般救急病棟で対応することになるのですが、十分な安全を確保するためには、これがまた大変な労力を要する仕事でした。また、身体合併症が存在せず、精神不穏ときには明らかな幻覚妄想状態や強い希死念慮を伴う抑うつ状態があっても、当時の県の精神科救急体制は平日夜間22時でストップしていましたので、深夜、精神医療機関では引き受けてくれません。本来、精神科救急で定めるルートとは異なりますが、家族も救急隊もときに警察までもが、精神科がストップしているので、という理由で患者さんを救急外来に連れてこられました。目の前にいらっしゃる以上、何らかの対応をしなくてはならないことも多く、また、土曜日などは翌月曜日の朝まで、一般病棟で対応しなければならないという事態もありました。しかも、同じ区内には、精神科診療施設はなく、隣の区の総合病院精神科ではいつも誠意を持って、熱心に対応して下さるのですが、それだけにその混雑ぶりはかなり激しく臨機応変な対応が十分には行えない現実がありました。こうした精神医療の実態は、今でも各地にみられ、一人一人の精神科医が懸命に診療に当たられていても、時間と労力の限界から十分な対応がしきれない実態もあるのではないでしょうか?これは、精神医療の外側の一般医療の中にある現実ですが、精神科医がいない総合病院でも、臨床心理士がいることが少なくありません。彼らは、内科医、外科医、救急医との協働作業のもとに、こうした精神医療の外側の医療の中で、プレ精神医療の一端を担わざるをえない場合もあるのです。大変危険なことですが、それも現実なのです。

在職自殺者数は、9000件に達しています。ハインリッヒの法則にしたがえば、30倍の予備軍と300倍のハイリスク者がいることになりますが、9000+270000+2700000の合計約300万人以上のハイリスク者がいます。さらに、来年度の労働安全衛生法の改正では、長時間時間外勤務を行う労働者に、身体的および精神的な問題がないか産業医面談を行うことが義務付けられていきます。おそらく対象者は、さらに数百万人に達すると考えられます。これらの心理的問題の中には、精神神経学会の声明で述べられていますように、多くの精神障害、あるいは、精神障害の準備状態にいるものが含まれていることも事実です。しかし、これらの心理的問題までを含めたとき、ましてや、各学校での心理的支援の問題の全てに精神科医が関わらねばならないとなれば、一般診療との兼ね合いを考えたとき、その余裕がありますでしょうか?精神神経科の診療機関を第一選択として対応していくことは、非現実的とも言えます。また、プライバシーの問題や、本人が精神医療を利用することへの拒否感が強い場合も少なくありません。一時的にでも、精神科医療に繋げるまでの支援をどうするべきかという問題もあります。
年間自殺者数が、98年を境にそれまでの2万人強から、3万以上に急増し、現在も3万5千人近い水準を保っています。こうした自殺者数の増加がなぜ起こっているのか、その本質を考えれば、単純に不況だから、とは片付けられません。成果主義の導入など、グローバル化、情報通信技術の革新に伴う労働態様の変化に応じて、個別の事例対応だけでなく、集団、組織、チーム、上司部下、職場の人間関係などの組織心理的な課題に対して、支援したり、助言していくことも必要になってきます。

産業現場だけをとっても、もはや、精神医療だけで、国民・労働者の心の問題に対応することは不可能です。厚生労働省の事業場における心の健康づくりのための指針にもありますような、セルフケア、ラインによるケア、産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケアの四つの段階は、非常にリーゾナブルです。

産業医、心療内科医、臨床心理士、シニア産業カウンセラー、精神保健福祉士など心の健康に関わる様々な専門職の協働作業がきわめて重要です。精神医療に効果的かつ有機的に繋げていくために、一般市民が納得して、活用できる無理のない、余裕のある仕組み制度を作り上げていくためには、マンパワーが必要です。

精神医学的診断の精緻な部分や治療については、精神医療で行うべきではありますが、医療機関ではない産業現場では、医療法に基づく医行為が行えない以上、上記の専門職による心理学的行為が重要となるのです。精神医療の必要性を的確に判断し、精神医療につなげ、家族や地域と関係性の中で本人が安心して精神医療にかかれる体制作りを丁寧にコーディネートする力が必要とされるのです。

上記の中で、現在、国家資格となっていないのは、臨床心理士と産業カウンセラーですが、とくに長い歴史を持つ産業カウンセラー制度にあっては、旧労働省の指導の下に標準化された教育研修制度があり初級資格取得後、専門職たるシニア産業カウンセラー(現在有資格者600名)となるためには、事例性重視を一貫し、逐語記録作成、事例検討、技能向上訓練(理論108時間以上、実践的技能向上演習63時間以上)やスーパーヴィジョン制度が盛り込まれ、精神科医の協力も得ながら、かなり充実した教育研修制度を行っています。労働省が主導権をもって管理監督していますが、もう一方の臨床心理士は、近年、指定大学院での教育に委ねられていることから、教育内容、実技実習、臨床実習などのカリキュラムは、施設毎に任されており、施設の格差があるのも現実です。年間認定者数が、1000人以上となっており、現状のままでは、確かに、日本精神神経学会が指摘されるような問題が懸念される状況にあります。臨床心理士会では、領域ごとの専門研修制度を検討したり、随時行われる現行の研修の内容を深めていくことで対応しようとしていますが、どんどん認定する認定協会と、資格者を抱えていく日本臨床心理士会との間でも葛藤がないとは言えないと思います。

また、一般の医師や看護師の場合でも、医学教育における精神医学の講義、臨床実習は、マイナー科目という位置づけとなっているのが現実で、精神科医の教育も医師資格を得てからの卒後教育の中でOJTでしか、きちんとした教育が行われない実態もあります。また、心療内科医は、身体医学と精神医療の周辺領域でその職務を行っていますが、心療内科医の場合も、精神科医から見れば、精神医学の知識が不足している心療内科医が少なくないと言う指摘もあり、心理職への見解と同様の危惧を持たれていることは、議論の余地がないところです。また、逆に、一方の身体科の医師からみると、精神科医の身体医学的診断技術に不安を持つ声もあります。

いずれにしましても、それぞれの職種が、教育研修において不足する課題が数多くあるのは事実ですので、心理職の国家資格化にあたっては、必要とされる医学知識、臨床研修を含めて、基本となる心理学においても臨床心理学にとどまらず、基礎心理学、他の応用心理学をきちんと学び、その知識や技術が十分に活用できるような専門職養成の制度づくりが必要です。また、現任者にあっては、学歴も目安として大事かもしれませんが、臨床心理士のみならず、非臨床心理士の心理技術者、シニア産業カウンセラーなどの実務で鍛えてきた人たちの現実を考え、実力のある人たちが公平に、厳正な評価を受けた上で、不足する知識や経験を補うことでより専門職としてしっかりとした技能を獲得維持していくための仕組みづくりも必要だと思います。

文頭に述べた「誰に相談すればよいのでしょうか」に対する答えは、一つではないと思います。精神科診療機関が近くにあれば、それを活用しやすい環境づくり、また、精神科診療機関に直接アクセスできなくとも、身近なスクールカウンセラーや職場内の産業保健スタッフ、EAP機関のカウンセラーに相談しながら、必要に応じて、適切に精神医療につながる仕組みづくりが必要だと思います。精神医療の現場からみると、次から次へと患者さんがいらっしゃる中で、以前より気軽に精神科を利用するようになっていらっしゃる感じもしますが、精神医療にアクセスするまでの道のりはそう容易いものではないのが現実なのです。

心理職をもう少し信頼し、ともに広い領域で仕事をする仲間として暖かい目で育て、助け合うことが大切です。
上記の「精神科心理」さんのおっしゃるように、もう一度、もう一度同じテーブルについて冷静に大人としてきちんと話し合っていく必要があると思います。

ここで行われている議論とは関係がないかもしれませんが、医療心理師国家資格制度推進協議会の幹部団体である日精診から、下記の公開質問状が協議会事務局長に発せられました。この間の、法案作成に関する不明な点について、経過を質すものだと思います。

http://www.japc.or.jp/pdf/17726/shitumonjou.pdf

                     平成17年7月26日
公 開 質 問 状

医療心理師国家資格制度推進協議会
 事務局長 斎藤 慶子 様

                  社団法人 日本精神神経科診療所協会
                            会長 三野 進


 平素より外来精神医療にご理解をいただき感謝しております。また、長年にわたり心理職の国家資格化にご尽力いただいている姿を何度も拝見し、常々尊敬の念を抱いております。
 当協会は、貴協議会の幹事団体であることは今さら申し述べるまでもありませんが、本年7月5日に「臨床心理職の国家資格化を通じ国民の心のケアの充実を目指す議員懇談会・医療心理師(仮称)国家資格法を実現する議員の会合同総会」において明らかにされた法案の骨子について、事前に何のご連絡もいただけなかったことを大変残念に思っております。

 本協会も日本精神科病院協会、日本精神神経学会と協議の上、「臨床心理士及び医療心理師法案」への見解を発表し、現状では本法案の上程は容認できないという態度を表明したことはご存じのことと思います。

 私どもは様々な意見を持つ精神科開業医の集団で、活発な討議と検討を公開で行い態度を表明することを、組織原理としています。公開の討論の中で、本法案の成立過程、現在どのような状況になっているのか、多くの会員が危惧と不安を抱いております。
 つきましては、私がそれらの疑問を取りまとめましたので、以下の3点について、平成17年8月2日までに書面にてご回答いただきますようお願い申し上げます。失礼の段、お許し下さい。

一、本年7月8日付けで出された、日本精神科病院協会の7項目の修正要求について、同日の協議会総会で確認され、我々日精診も同調し、総会の結論としてこの修正を前提として、法案の実現を目指すと、先生が議長として纏められたと伺っております。その後、法案修正に向けてご尽力頂いていることと思いますが、その後の経過はどうなっておりますでしょうか。

二、本年7月5日の両議連の総会で本法案が提出されるまでに、12回に渡って各方面との調整を行いながら、慎重な協議が行われたと伺っています。本法案の提出という貴協議会の活動の根幹に関わる重要な活動方針の転換に際しては、幹事団体である私どもを含め医療関連団体との充分な協議がなければ、法案成立後に現場の混乱を引き起こすことは必至です。現状がその結果を物語っています。日本精神科病院協会や日本精神神経学会にも事前の提示はなかったと伺っています。先生がこの法案の骨子を関係議員から説明を受けられたのは、いつのことでしょうか。
  当協会は5日以降に、協議会とは異なるルートからこの情報を入手し慌てた次第です。勿論、今まで激しく意見を異にしてきた両議連の協議ですから、公開で行うことが困難なことは承知しております。しかし、議連合同総会では、法案は最終的に了承されており、これでは協議会に参加している当協会も了解したに等しいと誤解されても仕方がありません。もし、先生も当日になってこの法案の概要を知ったとすれば、関係者との十分な調整が行われなかったと言うことになります。また、事前にご存じであったとすれば、7月8日まで公開されなかった理由をお教えいただきたいと存じます。

三、8日の総会後、その合意に基づき、日本精神神経科診療所協会、日本精神科病院協会、日本精神神経学会、日本医師会がそれぞれ見解を発表しました。協議会事務局は、そのことを受け各団体の意見調整を図る義務があると思います。本日に至るまで、先生からは何の説明や方針提起も伺っておりません。動けない事情があるのならば、お教え下さい。

本法案の成立の是非を巡り、心ある心理職、臨床心理士、医療関係団体が対立する構造に至ったことは大変不幸なことです。私どもは、本法案が今国会で実質的な討議なく成立すれば、将来にわたり大きな禍根を残すと危惧し、時間をかけた対話と検討が必要であると考えています。どうか、先生もこのような我々の意志を念頭に置いて頂き、ご活躍頂くことをお願い申し上げます。

前後してしまい申し訳ありません。
先の日本精神神経学会の緊急声明に関して述べました意見について、要点を整理します。

1、臨床心理士の業務対象範囲の広さが問題とされていますが、堅い構造をもつ精神医療の枠組みだけでは、一般市民の心のケアにあたることは困難があり、精神医療や心身医療、または、医療以外の福祉、産業領域、家庭裁判所など司法領域にあっては、「傷病者」という限定された対象だけではなく、健常者の心理的問題に関わることも少なくありません。
「医学医療」概念を覆い隠すという表現は過激です。現実的には、心理職が「心理的な問題を有する者」に出会うのは、クライアントが精神科医に出会う以前である場合が少なくありません。したがって、精神医学的診断を行った上での「傷病者」という診断を受ける以前である場合、心理職が「傷病者」であるか否かの診断を行うことは不適切です。したがって、精神医療を必要とするものであるか否かの判断を行う技量は求められるものの、対象者を「傷病者の精神状態」だけに限定するのは好ましくないと考えます。

2、医療機関においては、医行為の中に規定されるとしても、医療現場以外では、例示されている「教育現場にあっても、労働の場にあっても」、現実的に、心理的問題を取り扱わなければならない事象は、精神医療のキャパシティを超えて存在しています。これらを、精神医療の枠だけで対処するのは困難です。既存の心理職を有効活用し、精神医療との密接な連携のもとで、スムーズに受診へと繋いだり、職場復帰プログラムなど社会適応への支援を行っていく必要があります。確かに、心理的対応において精神疾患の存在を配慮し、適切な判断を行っていくためには、精神医学的な知識や素養を含めた研修を行っていくことが必要かとは思います。声明文では、精神医療外の臨床心理士等心理職の活動についても疑問を投げかけておりますが、このご指摘の問題があればこそ、現状を前向きに改善していくためにも、広範な領域での国家資格化によるスタンダードオペレーションの標準化は、一つの望ましい方向ではないかと思います。

3、医療心理師は医師が「傷病者」を扱う医療提供の場合でのみ活動できるとされていますが、この場合の、医師は、精神科医や心療内科医をさし、医師の責任範囲内での業務ということになると思いますが、現実的には、医療にあっても、MSWの役割を担っている場合、精神科や心療内科を持たない医療機関など、精神科医(心療内科医)の指示が得られない領域にて、活動している心理職も少なくありません。この場合、他科医師の指示だけでよいのか、その場合「傷病者(=精神疾患?)」という診断を行わずに心理的問題を取り扱うのか、身体科医師によって「傷病者」であると診断されればよいのか、また、患者のプライバシー保護や精神科受診拒否の場合などの対応についてもどのように整理していけばよいのか問題が生じてきます。開業心理職も大勢いることから、「傷病者」のみに限定することで現実の心理臨床現場で混乱がおこることが予想されます。狭い医療の枠内だけというのは無理があります。

4、医学的知識の教育や臨床実習・研修等は、現行のままでは、不十分な点があることは確かですが、この点は、資格制度の整備とともに検討されるべき課題であると思います。


 人格の優れた優秀な医師も多い。人格の優れた優秀な臨床心理士も多い。その逆もあり。しかし、医師の責任は我々臨床心理士がおもっている以上に重い。彼らは、Ptさんを治癒しなければならない。日医がいっているように、我々にはちんぶんかんぷんな知識ももっている。
 我々の医学的知識は、看護師さんが大学生なら、中学生ぐらいかな。
 以前は、精神科医なんて、と思っていた。しかし、今は、違う。やはり、責任の重さが全く違う。臨床心理士会は、何を勘違いしているのだろうと昨日思った。
 医師の下で指示を仰ぎ、協力し、連携しながら仕事をすればいい。勿論、プロ意識をもって。
 今思う。この法案は、早すぎる。もっとしっかりした大学.大学院カリキュラムを作成する事が先決である。
 指定大学院では甘すぎる。医師未満、看護師さん以上の医学的知識と心理学.臨床心理学知識が必要であると。
 以前、小此木先生が河合さんは気楽でいいですね。と対談で言っていた。そのままだ。
 我々しかできないというものも確かにありますよ。
 私は、全心協には加入していないが、現状では医療心理師が
いいところかな。
 そのぐらいのレベルと思う。

精神科町医者さん
お忙しい中、早速の情報提供ありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。精神神経学会のこの見解に対しては、私の視点からエントリー記事を掲載させていただきます。

「公開質問状」をお寄せくださった方
情報をお寄せいただき深く感謝いたします。このブログでの議論と大いに関係いたします。この内容を読んで、私は改めて衝撃を受けました。と同時に、大きな誤解をしていることを再認識いたしました。「医師関係団体が納得できる国家資格として、(この法案にあるような)医療心理師しかない」ということを聞いていましたから。そうではないとなると、「だまされた!」というのが本音です。
ところで、この公開質問状の中で、「7/8の日本精神科病院協会の7項目の修正要求」とはどのような内容なのでしょうか?もし差し支えなければ教えていただければと存じます。日精協のこの法案への考えをより正確に理解し、対話への一助にしたいとの気持ちからお聞きします。

平陽一さん
毎回の熱意あふれるコメント、ありがとうございます。平さんのご発言は、医師の立場からスタートし、心理的アプローチへの理解への道のりを描いてくださり、とても参考になります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
「医行為との関連」「心理職の業務範囲」は、これからの大論争となると思います。そして、その大論争を乗り越えていかなければ、本当の意味で国民から信頼される心理職はないと考えます。今後ともお力添えお願い申し上げます。
平さんの意見も含め、これらの論点に関して、この「緊ブロ」で大きく取り上げ議論を深めたいと思っております。

精神科心理さん
ご意見ありがとうございます。私のコメントする順番が前後してしまいすみません。我々が病院以外で相談に応じていて、その実践から感じる素朴な声を、もっと精神科医の皆さんに伝えることも重要と感じています。精神科心理さんのように、実践の中で感じることを、もっと声を挙げていただければと思います。それらをひとつのテーブルを囲んで、多職種間で語り合うこと、精神科心理さんと同じ思いです。

日本精神科病院協会の法案の修正要求は以下のもののようです。思わぬところから入手いたしました。
この見解が、衆参両院の厚生労働委員会委員に配布されています。
とても、議論になるような修正ではないと思いますが・・・。

**************************
臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子(案)に対する
日精協 医療従事者問題検討部会の見解

 日精協は、医療心理師国家資格制度推進協議会に参加し医療心理師国家資格化に賛同してきたところであるが、今回の臨床心理士及び医療心理師法案要綱骨子案については容認できない部分がある。仮に骨子案の通り臨床心理士、医療心理師の二つの資格化を一つの法案で行うこととするなら、下記の項目について反対意見を表明し法案の修正を要求する。
 1.「臨床」という名称は一般的には医療を表す名称と受け止められている。臨床心理士という名称は「社会心理士」等の名称にするべきである。
2.骨子案では医療心理師が臨床心理士に包含された形になっていて、二つの資格に権限の差が歴然としている。また、医療の分野においては臨床心理士と医療心理師の両方の資格が認められることとなり、精神医療の現場を混乱させる可能性がある。二つの資格の職域を明確にするため以下のように骨子案の訂正を求める。
① 第一 二 定義 1 「教育、保健医療、福祉」を削除し「医療、福祉を除く」を挿入する。また「高度の」を削除する。
② 第一 二 定義 2 「当該障害者の精神の状態の維持又は改善に資するため、」の後に「保健、医療、福祉等の分野において」を挿入する。
③ 第四 一 臨床心理士及び医療心理師の義務 3 関係者との連携等 ② 全文を削除する。
 3.対象の違いが不鮮明である。一方は「心理的問題を有する者」とあり、一方は「傷病者」となっているが、両者の本質的な差があるとは思えない。したがって上記2の職域を明確にすることをもって二つの資格の並存を認めざるを得ない。
4.臨床心理士の受験資格の認定には、主務大臣が①に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者となっているが、経過措置としては認められても通常の試験資格としては極めてあいまいな基準となっている。削除すべきである。
 5.現在の臨床心理士の臨床実習ははなはだ貧困である。医療心理師の受験資格に医療現場での2年間の臨床実習を義務付ける。
 6.国家資格となる場合、試験、登録、更新などの委託業者については現在の「臨床心理士認定協会」をそのまま指定することには問題がある。もっと公正中立な新たな組織、機関を考えるべきである。

こころしかくさん。このブログを維持されるのは大変なご苦労があると思います。いろいろな思いもあるかと思いますが、いつも冷静に、対話の場を上手につくっていただき、ありがたく思います。また、暖かいコメントをいただき、救われました。本当に、ありがとうござます。今日は、面接と会議の合間に思いのたけを書きつづってしまったのですが、ちょっと発言しすぎたかもしれません。他の人たちのご意見に、もう少し耳(目)を傾けたいと思います。

精神科町医者先生。ほんとうにいろいろな情報をありがとうございます。心理職の国家資格化問題は、数年来続いていますが、精神科医の団体の統一見解というのは、なかなか聞くことができませんでした。今回の声明に反論を書きながら、議論の論点が明確になってくると、何か打開策があるのではという気持ちも強くなってきました。今後ともよろしくお願いいたします。話し合いをぜひ続けていきたいところです。

トクメイキボウノココロ様。貴重な情報をありがとうございます。この修正案は、議論になるようなものでは、、、とありましたが、他の反対声明と異なり、二つの国家資格を認めざるを得ないという点は、もしかすると解決の糸口となるかもしれませんね。
1、二つの国家資格を認めていること。(社会心理士、医療心理師)
2、医療心理師において四年制大学卒にとどめず、二年の臨床研修を義務付け、実質6年の教育研修期間としていること。
3、社会心理士(臨床心理士)の大学院修士修了を否定していないこと。
これらを総合すると、横断的資格を必要とする場合は、二つの資格を取得すれば実質上の横断的資格となります。いずれかの限定のみでよい場合は、一方に留めておいてもよいということですよね。
通称は、いずれでも、両方でも、「心理士(心理師)」で通りそうですし、職能団体もできれば、「日本心理士(師)会」として、心理学の世界が分断されないようにまとめていく方向性も考えられると思います。
まず、この方向で、国家資格化し、現実問題として、何か障害があれば、その都度改定していくということも考えてもよいのかもしれません。
臨床心理士という言葉をあえて使わないことで、万が一、何らかの理由で国家資格を取得しない人でも、民間資格の臨床心理士は、そのまま活かせるとも言えます。
日医の業務独占までを視野に入れた資格の方が難産ですし、医療以外の領域が置き去りになる可能性がありますので、もしかすると、日精協の修正案も、現状の打開策として、一つのアイデアである可能性はあると思います。
議論の余地はありそうだと、、、、私の個人的意見ですが、そう考えます。


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