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2005年7月に作成された記事

2005年7月31日 (日)

医師と臨床心理士が協同でめざすもの

現在、この「緊ブロ」の2005/7/27のエントリー「速報! 今国会の国会上程見送り」のコメント欄において、国家資格の是非をめぐり、医師や臨床心理士の激論が行われています。とても印象深いので、お時間のある方はぜひとも熟読をお願いします。

私はこの議論をとても感慨深く読んでいます。このように医師や臨床心理士が、自由に議論し、しかしお互いの感情的非難の応酬とならないような形で話し合いが進んでいることに、ちょっと大げさなのですが感動しています。こんな機会はこれまでそうなかったのではないでしょうか。

もちろん、論点が錯綜することもあるのですが、これは自由なディベートのご愛嬌ということで・・・。ぜひ皆さんも議論に参入してください。そして、少しでも立場を超えた理解が深まればと思っています。

もちろん、医師や臨床心理士が理解しあうことのみで、満足してはいけません。何よりも大切なことは、今の日本のさまざまな心の問題(幼児虐待、不登校、青少年犯罪、犯罪被害、自殺、災害被害、高齢者の問題などなど)に、心の専門家がどう連携しながら対応するか、国家がどういう対策を行いそこで各種専門家がどのような役割を持つか、国民ひとりひとりが心の問題に関心を持ちセルフケアすることをどう支援するか、などでしょう。

つまり、国家的に大きな課題となった心の問題への対応として、医師や臨床心理士、その他の専門家が、どのようなチームを作り、どんな役割を持って臨むか、その制度について最終的には議論していければと思います。

もちろん、近年の心の問題の深刻さを思うと、医師や心理士が仲たがいしている場合ではないのかもしれません。密接に協力し合ったとしても、それでも事態の深刻さに圧倒されてしまうような日本の現状があると思うのです。しかし、今回の国家資格騒動で、まずはお互いが理解しあうための議論が重要であることが浮き彫りになりました。そして、その機会が極端に不足していることを思い知りました。

ぜひとも、「国民の健康や幸せ」を意識しながらの議論ができればと考えます。ブログならではの本音の語りを期待します。

2005年7月29日 (金)

論点の整理に向けて

さまざまなコメントありがとうございます。ひとつひとつ返事コメントすることができませんが、私なりに少し論点を整理したいと思います。心理職の国家資格問題に関して、以下の5つの論点が重要と考えます。

①臨床心理行為と医行為との関係

②医師の指示問題

③広範囲な心理職の国家資格は必要か

④臨床心理行為の定義や専門性

⑤臨床心理職養成(質や数も含めて)

この中で、「①医行為」と「②医師の指示」については、医療と直結した議論なので、医療側と心理側との充分な議論(バトル!)や意見交換が必要です。このブログでもすでに激しい議論が始まっています。この点について医療側と心理側、また場合によっては、他の当事者団体とも議論したいところです。日本看護協会も重要な関係団体です。

「③国家資格の必要性」については、医療側からの意見も重要ですが、より広い社会的視点やニーズ(期待)との関連で議論する必要があります。医療の視点だけでは結論がつかない部分と考えます。その意味では、「臨床心理職の国家資格の創設に関する請願」18万人署名や国民の要望に応える国会議員の考えの重みも考える必要があります。

「④臨床心理の専門性」「⑤臨床心理の養成」については、こうありたいという議論も多いと思いますが、すでに積み重ねられている実績や養成システムとの連続性の中で検討する必要があると思います。病院実習の不備を指摘したコメントがありましたが、国家資格でない不安定な心理職に、充分な実習受け入れができる余裕はこれまではなかったのですから、実習の不備を理由に国家資格になりえないという主張には無理があります。しかしながら、心理職をより質の高いものとするために、医師の皆さんやその他の方々の意見にじっくりと耳を傾け、しかし納得できないことに関しては丁寧にその真意を問うていこうと思います。人員の供給計画なども⑤養成に含めて考えていきましょう。

その他の論点として、

⑥医療心理師問題(上記①-⑤のすべてのことが医療心理師にも問われます)

⑦今回の国家資格騒動の経過把握や責任論

⑧今後の国家資格に向けての取り組み方について

があるでしょう。「⑥医療心理師問題」「⑦今回の国家資格騒動責任論」については、私は本当に多くのことを語りたいのですが、ややきな臭くなるので、もう少し冷静になってからと思っています。

そして、①-⑦の議論がなされる中で、⑧の有意義な議論へとつながっていくとよいかなと思います。議論がそうすんなりとはいかないと覚悟しています。

これらの論点以外にももっとたくさんの議論が必要と思いますが、主なものとして8つの論点を挙げました。これ以外でぜひという意見も含め議論を深めていきたいと思います。

2005年7月27日 (水)

速報! 今国会の法案上程見送りへ

鴨下議員のブログに、与党政策責任者会議に諮ることを見送ったという記事が記載されました。よって、今国会での「臨床心理士及び医療心理師国家資格」法案上程は見送りになりました。

鴨下議員も述べておりますが、これからの関係者との調整等が重要と思います。関係者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

鴨下議員、法案成立とはならず不本意でおられると思いますが、今回のご尽力に深く感謝申し上げます。また、法案作成にかかわられた国会議員の皆様、関係閣僚の方々のお力添えに、改めて謝意を申し上げます。

今回は見送りとなり残念ですが、心理職の国家資格をめざして、さらなるご協力をお願い申し上げます。

本日(7/27)、動きがあれば情報をお寄せください

一部のうわさでは、本日に「国家資格法案」の取り扱いに関する重要な話し合いがあるとのことです。具体的な動きやその内容に関して、情報をこちらのコメント欄にいただければ幸いです。

他のブログやホームページ上の情報があれば、そちらもご紹介いただければと存じます。

このブログは、各団体の上層部の方やマスコミ関係者、国家議員の秘書さんなどもご覧になっているかもしれません。もし情報をお持ちでしたらぜひともお寄せください。

まず「事実」をなるべく正確に把握した上で、その内容をじっくりと共有したいと思います。その上で、今後のことについて建設的な議論を深めていければと考えます。

2005年7月26日 (火)

「日本精神神経学会」の緊急見解から

当「緊ブロ」の「今の局面で思うこと」のコメント欄で、精神科町医者さんから情報をいただきました。日本精神神経学会の法案に対する緊急見解です。この見解については、続くコメント欄で、精神科心理さん、平陽一さんからの意見があり興味深いので、どうぞご覧ください。

日本精神神経学会の見解の中で、「医行為に含めるべき」「対象範囲が広すぎる」については、日精診や日医の見解に近いものがあり、すでに「緊ブロ」のコメント欄で議論が活発に行われています。

今回の日本精神神経学会の見解で注目すべき点としては、「臨床心理士と医療心理師」の両資格が並立であることの弊害やあいまいさに言及している点です。たとえば、

両資格の対象について、①「これを法の文言として分けることは、「心理的な問題を有する者」の中の重要な精神疾患を見落とす可能性が高いので看過出来ないばかりか、「精神疾患」と「心理的な問題」とを切り離したり、「傷病者」の「精神状態」を特別視することは、精神医学・医療を曲げ、かつ精神疾患や身体疾患を有する方々への差別と偏見を助長しかねない。」

とか、

両資格の役割について、②「両者の役割はあたかも別の領域であるかのように表現されているが、すでに述べたようにそれぞれの活動内容と対象者には本質的な差はない。したがって、2つの資格を設け、両者の権限・資格に格差をつけることは、合理的な理由がない。」

と述べています。

その上で、③「臨床心理士と医療心理師という2つの資格が同一の職場で同一の業務に携わることは、医療現場におけるチーム医療においても、あるいはまた心理職が活動するさまざまの現場においても混乱を生じ、当事者に不利益をもたらすことが危惧される。」

と指摘しています。

私は、この①②③の指摘に基本的には共感します(①②については一部異なる意見も持っていますが)。2資格が並立することの問題点は、「緊ブロ」でも取り上げています。右のカテゴリーの「2つの国家資格並立は問題」をクリックすると、内容をみることができます。特に、7/5のエントリー(法案に対する個人的評価です)をご覧ください。ここでは2資格の連続性への言及がないことに●(ちょっとまずいのでは)をつけています。 (繰り返しますがあくまで私見です)

ただし、私の今の立場は、「法案には問題もあるけれど、もし国会で成立するのなら、どのように両資格の連続性を持たせ、カリキュラムを充実させ、将来の信頼される臨床心理士資格にしていけるかを現実的に考えたい」ということです。

その前提としては、「国会で成立=医師会や日精診、日精協、精神神経学会など医療関係者も基本的には同意している」ということがありました。しかし、「全く知らされていなかった」という医師関係団体からの意見に、非常に驚き、内容に対して直感的にひどい、という思いを強く持ちました。しかしどうやら、医療関係団体に本当に説明がなかったようですね。

もちろん、事実の正確な確認にはもう一方の当事者(全心協)からのご意見がほしいところです。日精診の医療心理師推進協議会への「公開質問状」に対する回答を待ちたいと思います。ぜひ教えてください。

なお、2資格を統一するという考えに関して、「臨床心理士」の方向なのか、「医療心理師」の方向なのか、という点は、大きな論点です。私はもちろん「臨床心理士」側の立場です。それが国民のためになると思っておりますが、自分の意見に固執しようとは考えておりません。改善しなければならない点や努力不足の部分、乗り越えていかなければならない課題など多々あるでしょう。それらについて引き続き謙虚に考えていければと思っております。

2005年7月25日 (月)

今の局面で思うこと

「臨床心理士&医療心理師国家資格法案」がどうなるか重要な局面を迎えています。政治レベルの密室の調整がなされている訳ですが、主にインターネット上の情報を基に私見も述べながら、この局面を考えたいと思います。この日本における「心の支援の専門家」をどう形作っていきたいのか、それぞれのご意見を今後もいただければ幸いです。

まず、今週中にはこの法案をどうするか、政治的な方向が示されると思います。国会の会期末を考えると、今週中に動かなければならないという事情があります。

未確認情報ではありますが、7/27(水)の与党の会議で結論が出るという話もあります(参照ブログ)。ただし情報の出所が「全心協」とのことなので正確かどうかわかりません。

一方、鴨下議員ブログからは、「応援してください」というエントリーがありました。これは今回の反対の動きを無視できないというメッセージと読むのがよさそうです。それはそうでしょう。「日精診」「日精協」のみならず、日本医師会が会見まで開いて法案が「未熟」という見解を述べました。支持母体から反論されたのは苦しいところです(日医白くま通信)。

日医の見解は、法案の問題点を2つ(「業務範囲が広すぎる」「業務独占でない」)挙げています。ただし、この記事は全文ではないと思われるので、ぜひ全体の内容をご存知の方は教えていただければと思います。この見解の会見での言った言わないが後々重要になりそうな予感がします(特にマスコミ関係者の方、情報を!)。

日医の見解の中で「業務範囲の広さ」については、このブログのコメントをみても、医師の方々がひっかかりやすいところのようです。最近のエントリー「精神科医団体からの反対意見をどう読むか」の平陽一さんのコメントが、医師の観点からはわかりやすいかもしれません。

また私の意見を再度述べると、「心の支援ニーズのあるところに心の支援サービスがある」のは当然なことであり、「業務が広くなること」が社会からの要請であるということです。たぶん日医の見解は、心の支援の専門性や質を問うていると理解したいと思いますがいかがでしょうか。もしそうならば、じっくりと議論できるとと思います。

これまでも努力していると思うのですが、心の支援の質を上げどう国民の期待に応えていくか、精神科医の先生や看護職の方、福祉関係者その他の方々とどう連携し、臨床心理職はどのような役割を担っていくか重ねて謙虚に考えていければと思います。

「業務独占でない」という日医の見解は、よく考えるとそれはないのではないかと思います。鴨下先生はじめ国会議員の方々は、かなり早い段階で心理学的行為を「医行為でない」と整理しました。保助看法を解除しないという政治的判断をしたのです。これは彼らの大きなアイデアであり、日医も基本的にはそれを了承したのだと思います。そうでなければ、7/5の法案骨子はできあがらなかったはずです。

それなのに、日本医師会が(下線追加:2005/7/26AM8:30)今になって「やはり業務独占でなければ」「保助看法を解除してない」というのは、それではこれまでがんばってきた鴨下議員をはじめとした国会議員が浮かばれないと感じます。彼らは心理職の国家資格の重要性を真剣に考え動いてくれているわけですから・・・。

それはともかくとして、「日医としても、このような臨床心理士・医療心理師などの職種についての身分法の制定は必要だと考えている。この火が消えることは何としても避けたい」と述べ、日医の方が「臨床心理士」の身分法に言及したのは、大きな前進と考えます。私はこの言葉を決して忘れません。

ここ数日、当然のことながら、精神科医療関係者や臨床心理関係者、その他の関係者が、国会議員に対するロビー活動を行っている情勢のようです(当然ですよね)。

臨床心理士関係では、請願に協力してくださった国会議員の方々がおられるし、日精協にも政治連盟を経由した国会議員がいます。これらの議員の方々の政治的調整によって、この法案の扱いを当面どうするかの結論がここ2,3日中にでるでしょう。

どのような結論となるか・・・。

2005年7月24日 (日)

精神科医団体からの反対意見をどう読むか

日本精神神経科診療所協会の見解については、この「緊ブロ」や「臨床心理士デスマ」さん、「ロテ職人」さんのところで、他のブログの情報も含めて反論や意見が出されています。

日精診の見解は、法案つぶしをねらった「政治的意図」が露骨なものです。臨床心理士の幅広い活動を、「科学性がない」とか「関係者を混乱させる」といった理由で否定しようとしており、これは臨床心理士のみならず、心理関係者やその活動を広く応援している国民、国会議員の人々の意見や熱意を踏みにじる感情的な内容です。精神科医の皆さんは社会的に大きな貢献をされていますが、このような意見は、品位ない意見として一笑に付されるべきものでしょう。

続けて出された日本精神科病院協会の反対声明の方が、まだ冷静な内容となっています。しかし、彼らの反対理由も、「医師の指示の下」の資格でないとだめ、という今となっては非現実な主張を繰り返しています。

この局面でこのような反対意見を出してくる彼らの意図は読みにくいのですが、少なくとも次の点は押さえておく必要があるでしょう。

今回の法案が7/5に合同議連で了承されるにあたって、臨床心理士、医療心理師側の国会議員と厚生労働省、文部科学省の役人との会議が12回にわたってもたれました(鴨下議員ブログ)。

この会議と平行して、当然当事者の臨床心理士側団体と医療心理師側団体との意見交換はなされたはずです。臨床心理士側は当然臨床心理士会等との意見調整がなされました。医療心理師側も全心協や医療関係団体との調整がなされたはずです。その中に、当然「日精診」「精神科医病院協会」も入っており、意見集約を行っていたはずです。

それなのに、この時期に法案をつぶそうと動いたことは、これらの団体の対応方針がぶれていることを示しているとみるのが普通でしょう。これまで交渉してきた役員と異なる勢力が実権を握ったということでしょうか?

しかし、2団体がほぼ同時に反対意見を出していることを考えると、政治的意図があって足並みをそろえたと考えた方が自然です。後ろで糸を引く国会議員がいるのか、それとも、存在感をアピールするためだけに反対声明を出すことにしたのか・・・。

いずれにしてもすべての団体が反対しない法案はないわけですから、今回の反論に説得性がない以上、法案成立に向けての作業が着実に進むことを願います。

仮にこの2団体の反対で資格法案が通らないという事態になれば、医療心理師側が今回のごたごたの原因を作ったということで、政治的な信頼を大きく失うでしょう。今回医療心理師側で協力してくれた国会議員は、もう力になってくれないかもしれません。また、2団体の一方的な意見が幅をきかすということになり、「医療心理師」一本という法案上程しか道はなくなります(たとえそうなっても今回尽力された国会議員はもう「医療心理師」側には協力しないでしょう)。

臨床心理士側は国会議員も含めて一枚岩です(一部見解の相違はありますが法案の成立にむけて賛成しています)。今回の仲間割れで、「医療心理師」側は大きく信頼を失いつつあります。

2005年7月21日 (木)

「日本精神神経科診療所協会」の法案への反対意見

国家資格法案に対する精神科医団体の反応が注目されていましたが、7/20(昨日)に精神科診療所開業医の団体(日本精神神経科診療所協会)から、法案への反対意見が出されました(同協会ホームページ「日精診見解」参照)。

関係者の皆さんは、ぜひこの見解をご覧ください。そして、どのような意見をお持ちになるか、ご意見をお寄せください。この団体は、基本的には医療心理師側の団体で、臨床心理士への反対意見が主ですが、法案の上程自体への反対を表明しています。

また、この見解によると、「日本精神神経学会」「日本精神科病院協会」も反対の態度をとるということです。これらの団体も、医療心理師側の団体です。医療心理師推進協議会内で意見が割れたということなのでしょうか?

法案への精神科医の団体からは反対は予想されたものです。今回の見解の内容を整理しました。とりあえずの私の見解を*で示しました。詳しい意見はまた後日述べたいと思います。

①臨床心理士や医療心理師の行う行為(以下「心理学的行為」とする)は、医行為に近いのに、その関係を明確にしていない

*この意見はもっとも想像されたものですね。医療心理師推進のこの団体は、そもそもこの点を検討せずに「医療心理師」資格に賛成したのでしょうか?「心理学的行為」には「医行為」に近いものもありますが、そうでない独自の部分も多いわけです。その厳密な議論は必要だけれど、厳密な議論が何度もなされてまとまらなかった歴史もあるわけです。大きな枠組み(医療提供時には、医師の指示を受ける)で整理する方向で基本的にはよいのではないでしょうか。

②臨床心理士の業務は、他職種(医師、看護師、精神保健福祉士、教師)との間に無用な混乱がおこる

*臨床心理士と医療心理師の2つある方が、「無用な混乱」があるのではと思ってしまいます。臨床心理士は業務独占ではありませんから、各分野で連携しながら対応していく(実際にしている)ことを強調したいと思います。

③「心理学的行為」の範囲があいまいである

*「心理学的行為」の範囲があいまいだからといって、資格を作ることに反対する理由になるのか、理解に苦しみます。諸外国で臨床心理職の国家資格が多数あることをどう考えるのでしょうか?業務独占資格ならこの主張もわからなくもないですが、名称独占資格ですから・・・。

④「心理学的行為」は科学性がない

*効果の科学的検証は必要です。ただし、科学的検証をできないからといって、国家資格が必要ないというのは、ちょっと無謀かなと思います。医行為はすべて科学的検証に基づいているのでしょうか?臨床経験によって得られた知の蓄積も多いのではないですか?「臨床心理学的行為」には、現在の科学的検証のみでは手が届きにくい構造を持っています。

⑤「臨床心理士」の資格認定があいまいである

*「教育課程において医学・医療分野の履修が述べられていない」とありますが、実際にはその必要性が何度も議論されていますよ。この理由で法案に反対するのではなく、こうしてほしいと提案するのならわかりますが・・・。

⑥医療機関以外では「心理学的行為」の国家資格を作るべきではない

*医療以外の現場をあまり知らないと、「臨床心理学的行為」が「医行為」とは異なる側面があることに思いがいたらないのだと思います。あまり詳しくない分野に対して、あまりご自分の分野の考えを押し付けようとするのは、厳しいのではないでしょうか?臨床心理士の医療機関以外での活動に対する否定の考えですね。

2005年7月20日 (水)

「附帯決議」をつけてほしい

「臨床心理士及び医療心理師」法案のさまざまな課題は、このブログでも取り上げていますが、もし仮にこの法案が採決されるとしても、附帯決議でさまざまな意見を含めることができます。

実現するかは別として、こんな附帯決議が必要ではないでしょうか?

1.両資格取得者とも、国民の期待に応えるべく、その質の向上に努めること。また国は、質の向上を目指した施策を充実させること

2.臨床心理士の更新制は、その導入を前向きに検討すること

3.両資格取得者ともに、医療現場で対等に扱われること

4.医師の指示については、その内容を安易に定義づけることは避け、今後も慎重に検討すること

5.医療現場等で、2つの資格で混乱が生じることのないよう、国は充分な配慮を行うこと

6.2つの資格の連続性や統一を、今後の課題として検討すること

7.両資格の養成カリキュラムは、なるべく両資格の整合性に配慮したものとすること

8.両資格者が、どの年度でその程度の数必要か、長期的な供給計画を確定すること。また、その計画は保健医療計画など他の計画との整合性を有したものとすること

9.5年後をめどに法律の見直し作業を行うこと

表現が「附帯決議」にふさわしいものかどうかには自信はないですが、このような内容はあった方がよいのではと思います。

今回は政治的な思惑の中で資格法案が成立しそうですが、せめて附帯決議の中に、資格がどうあるべきか、臨床家の現場の思いを含めていければということです。

2005年7月19日 (火)

今週から来週が焦点?

郵政民営化法案の動きが不透明のために、「臨床心理士及び医療心理師」法案の審議が予想より早まるのではといううわさがあります。そうでしょうね。ここまでまとめてきたのでしょうから、(もしかしての)衆議院解散前に、成立させたいところでしょう。

法案が衆議院の文部科学委員会に出るのか、それとも厚生労働委員会に出るのか、未だに情報がありません。とにかく、今週は、両委員会を毎日チェックです。

法案が各党に持ち帰られての議論では、

1)臨床心理士と医療心理師の医療分野での対等性

2)臨床心理士が医療分野で働けるか

3)臨床心理士の医療分野での医師の指示の内容

4)医療心理師の働く範囲

5)両資格の養成プログラム(学歴など)

が後退していないか特に注視する必要がありますね。臨床心理士を医療から締め出そうという動きがくすぶっているようなので、注意が必要です。

細かなことですが、臨床心理士の働く場として、法案では「教育、保健医療、福祉その他」となっていますが、この条文が「・・・・その他」ではなく「・・・・等」となっていると、それだけで後退なのだそうです。つまり、「その他」より「等」の方が示す範囲が狭まるというのが法律のニュアンスとしてあるとのことです。

こんな話をきくと、我々臨床家はもっと法律に詳しくならなければならないし、もっと頼れる法律家と連携していかないといけないですね。とりあえず、このブログで皆さんのお知恵をお借りしながら、いろいろと問題提起してもらえると助かります。

ちなみに明日は、衆議院の文部科学委員会が9時スタート、厚生労働委員会が9時半スタートですね。明日は国家資格の法案審議はないと思いますが、わかりません。

2005年7月18日 (月)

「緊ブロ」を作る私の立場について

新たにこのブログを読む方も増えていますし、コメントでの(激しい?)議論もありますので、この「緊ブロ」のエントリーを私がどのような思いで作っているか少し述べたいと思います。

この「緊ブロ」運営の基本的姿勢は、ブログのトップ記載の通り、「広く国民のためになる資格」を考えるということと、「情報の整理をする」ということです。そして、それらを通して、このブログを読んだ人ひとりひとりが、心理職の国家資格について自分なりの意見を持つことをお手伝いしたいと思っています。

病院や学校で臨床を行う立場から、今回の国家資格に関して感じることや考えることを、私見も含めて主張しています。正確な情報を伝えるべく努力していますが、時にはうわさや推測も載せることもあります。ただし、それらを掲載する時は、不確定情報であることがわかるようになるべく気をつけます。

ブログの公共性(?)を考えれば、正確な情報のみを伝えるという立場もあるでしょうが、私はそのような立場にはたちません。なぜなら、政治の動きや組織の上層部に対して、一個人は圧倒的な情報不足の状態にあるからです。そのような状況で個人が、将来にわたってその業務を規制し続ける資格のよしあしを議論するには、推測や未確認情報を掲載し検討することも意味があると思います。

コメントに関しては、皆さんの意見を広くもらいたいと考えています。時にコメント者間で厳しい議論が交わされる場合もあると思いますが、不条理な個人攻撃や人格をおとしめる不当な攻撃でなければ、その議論の行方をそのまま皆さんにみてもらい、そしてご自分の意見形成につなげていってほしいと考えます。

臨床心理士がより信頼される国家資格になるにはどうあればよいのか、国民のためになる心の支援システムが作られるにはこの2資格がどうなっていけばよいか、それらをもっともっと議論していければと思っています。

私の意見は時に過激だったり、間違った解釈もあるかもしれません。その点はぜひともコメントをもらえればと思います。「緊ブロ」をどう読むか、その最終的な判断は皆さん自身です。

今週から来週にかけていよいよ国家資格をめぐる動きが活発化するでしょう。皆さんにはぜひともマスコミの一部報道に振り回されずに、日々の臨床の質をより深めるための資格のあり方や長期的な資格の方向性についてご意見を持ち、周囲の人々に情報発信していただければと思います。

2005年7月17日 (日)

合同役員会(7/17)からの情報

予定通り本日(7/17)、臨床心理士国家資格の関係団体合同役員会が開催されました。その中で議論されたことに関して、参加した人から少し情報を入手しましたので、確認したいことも参照に以下記します。内容は正式記録ではないですので、ご了承ください(その場のニュアンスなどもありますし、参加者個人のから伝聞情報ですから、正確に情報提供できていない部分もあると思います)。

1.臨床心理士は本当に汎用資格なのか(いわゆる開業権は?) … 汎用資格であり、独立開業も可能とのこと 

2.臨床心理士は本当に医療分野で働けるのか? … 医療分野で働ける方向である。ただし、医療分野から締め出そうという一部動きもあり、最後まで安心せずに取り組む必要がある

3.「医療提供施設」での「医師の指示」とは具体的にどのようなことか? … 意見具申権は確保されるべきであり、法律における「連携」という文言がこれにあたる(いろいろと意見が出たようであるが詳細については今後より検討する必要がありそう)

4.医療分野での臨床心理士と医療心理師の関係(違いはあるのか?) … 同等に扱うということになっている(が、そうさせないようにする動きもある)

5.医療心理師は「医療限定」ではない? … 医療限定ではない(いろんな分野に進出する可能性あり)

6.診療報酬の問題(どういう方向に? どのようなスケジュール?) … 法律の規定からは両資格が同等に扱われるようになっているとのこと(が、医療心理師の方が医療関係の勉強をしているから、そちらに厚い診療報酬をと主張する一部議員もいるということである)

7.臨床心理士養成の学部と大学院のカリキュラムは? … 検討中である。医療関係の科目を大学院までの6年間で取り入れていく

8.他学科から大学院には入れないのか? … 臨床心理士の学部教育に関しては、単位主体となる。よって心理学科出身でなくても、所定単位をとっていればよいことになる(という方向らしい)

9.指定大学院制度は? … 何らかの形で残る方向(詳細はまだ決まっていない)

10.臨床心理士国家試験の科目は? … 検討はこれから

11.経過措置の具体的姿(スライド制? 有資格者の科目一部免除とは?) … 詳細はこれから検討だが、試験実施を行う方向で(有資格者の科目一部免除など詳細は今後検討)

12.いわゆる更新性について … 法律上は規定できないが、職能団体の中の内部の取り決めなどで考えていきたい

13.現在臨床心理士を持っていない臨床家にも国家試験受験ができる門戸を開くのか? … 議論には出ず

14.臨床心理士と医療心理師の将来の関係 … 臨床心理士側は医療心理師側と何らかの関連を作っていきたいが、医療心理師側は独自性を出そうとしている。資格間の移動などは議論に出ず

15.海外の大学院卒業者への措置 … 議論に出ず

まだまだ決まっていないことも多いようで、今後も情報が入り次第エントリーしていこうと思います。あと小耳にはさんだ情報を挙げると、医療心理師の養成は課程制となるようですね。つまり、学部において新たに「医療心理師コース」のようなものを作り、そこに入学した学生のみが、国家資格受験対象者となるということだそうです。心理学科はどうなっていくのでしょう?

繰り返しになりますが、今回のエントリーは正式な議事報告ではないですから、正式な報告をお知りになりたい方は、臨床心理士会からの公式報告をお待ちください。あと今後の政治状況によっては、大きな変更が生じる可能性もありますので、今後も注意が必要です。

2005年7月16日 (土)

いわゆる「無試験スライド論」について

臨床心理士国家資格化にあたっての経過措置に関して、無試験でスライドすべきとの意見が根強くありますので、その点に関する私の意見を再度述べます。

国家資格は与えられるものではなく、その信頼性や質の高さを主体的に作り出していくものと考えます。臨床心理士が民間資格としてそれなりの実績を作ってきたことは認めますが、これから国家資格に発展するにあたって、その信頼性、自身への厳しさ、質を確保するための姿勢、高い倫理観、謙虚さなどについて、自己点検しなければならないと思います。そのようにして国民の信頼を広く得ていけなければならないし、その道のりは私はとても厳しいものと思っています。

それなのに、「○○先生が言ったから」「これまでの実績を評価すべき」「民間資格として立場を築いている」「実践が忙しくて試験勉強する時間がない」といった主張は、自己点検していこうという姿勢とは逆な主張となります。周囲の人たちは直感的に甘いなと思います。たとえどんなに民間資格の正当性を主張しようとも、それはあくまで狭い世界の話です。国家資格となるならば、多くの国民にとって納得できるものでなければと思います。

もちろん、心情的には試験は負担だし、また試験を受けないといけないのという気持ちもわかるし、年配の方に試験というのも大変だ、という意見も理解はします。しかし、信頼される国家資格の道のりの厳しさを考えれば、やはり最低限試験を受けましょうよ、と言わざるを得ません。

むしろ、国民の信頼を広く得るためには、「更新制をどう形作るか」「実地研修をどう標準化するか」「スーパーバイザー研修」などを議論すべきと思います。そうやって質を高めていくためのことを真剣に考えていかなければ、あっという間にお荷物資格になるのではと心配します。臨床心理士を囲む環境は決して安泰なものではないのです。

試験を受けることは「臨床心理士のこれまでの活動の否定」ではなく、「これまでの活動をより確実なものにしていく」取り組みということです。私は、「無試験スライド論」こそが、これまでの臨床心理士への信頼感を吹き消す危険性を持った主張と考えます。

2005年7月15日 (金)

日本心理臨床学会の「議連詳報」の記事から

日本心理臨床学会の「議連総会詳報」(7/5)の記事に、重要なことが載っていますので、ここでも確認します(すでにご覧になった方も多いと思いますが)。

注目点は、議連の中で行われた質疑の部分です。一部抜き出すと、

1.医療において臨床心理士も医療心理師も同等に業務が行える

2.診療報酬に関しては法律の規定からは両資格が同等に扱われるようになっている(厚生労働省)

3.臨床心理士の試験機関はこれまでの実績に鑑み、臨床心理士資格認定協会が担当することが妥当である(文部科学省)

4.医師の指示となっているが、意見具申権については確保されるべきである(異論なし)

5.カリキュラムについて、医療心理師の方が医学科目は厚くなるが、臨床心理士においても大学院までを通じて、必要な医学科目は入れるつもりだ(文部科学省)

(以下略)

医療現場における「医療心理師」と「臨床心理士」の立場が同等なものであることが、国会議員や担当官僚の前で確認されたことになりますが、この点は今後も繰り返し確認していくことが必要と思います。

臨床心理士の試験機関が資格認定協会になる方向ということですね。医療心理師の試験機関がどうなるのか、共通の試験科目が作られる可能性があるのかなどが、大きな焦点と思います(一緒にした方が税金のむだ遣いでないのに・・・)。

今回の法案にある「医師の指示」は未だにわかりにくいものがあるのですが、「意見具申権」という表現が公式にでてきていますね。「こう思いますがいかがでしょうか」という意見を言う権利だと思いますが、「医師の指示」は法律の解釈などでいくらでも拡大できますので、今後もより明確にしていく作業が必要と思います。

養成カリキュラムに関しては、医療心理師、臨床心理士ともに、文部科学省の担当でしょうから、ぜひとも過重でなく実態に沿ったカリキュラムを作ってもらえればと思います。「医学科目」や「保健福祉科目」「特定の心理科目(認知行動療法、神経心理検査など)」の扱いが、2つの資格の性格の違いを出しそうです(違いを何が何でも出そうという動きも働くでしょう)。それにしてもカリキュラムの具体的な姿がみえてこなくて心配です(ブログ記事参照)。

2005年7月14日 (木)

臨床心理士が「医師の指示」を受ける場所

2資格法案要綱に、臨床心理士は「医療提供施設」において「医師の指示」を受ける、と記されています。

「医療提供施設」は医療法第1条の2の2に規定されていますが、その範囲は、病院、診療所、介護老人保健施設、その他、となっていますが、その範囲は思ったよりも広いようです。たとえば、大学の保健管理センターも診療所登録をしていれば、「医療提供施設」となるようです。だから、保健管理センター内に「学生相談部門」「診療部門」を分けていても、「医療提供施設」となれば、「医師の指示」が必要となるのかもしれません。

法律で怖いのは、この条文にもある「その他」ですね。これがどこかで具体的に定められていれば、そこに当然しばられます。たとえば、薬局も「医療提供施設」なのですね。そうだ、企業の健康管理センターも診療所登録していれば、それが一分野の機能であっても、「医療提供施設」となるのでしょう。

もちろん条文上、「医師が医療を提供する傷病者」に関して「医師の指示」が発生することになっていますが、「医療提供施設」に今後も注意ですね。

「確認したいこと」をお寄せください

今度の日曜日(7/17)に、臨床心理士資格推進側の合同会議が開かれます。私の知り合いの先生も参加するので、その先生に「これを聞いてきて!」とお願いするつもりです。このブログでこれまで出てきた話題を中心にメモにして渡す予定ですが、「確認したいこと」があればどうぞコメントをください。

もちろん、必ず確認できるとお約束はできないのですが、以下のようなことを聞いてきてもらおうと思っています。

・臨床心理士は本当に汎用資格なのか(いわゆる開業権は?)

・臨床心理士は本当に医療分野で働けるのか?

・「医療提供施設」での「医師の指示」とは具体的にどのようなことか?

・医療分野での臨床心理士と医療心理師の関係(違いはあるのか?)

・医療心理師は「医療限定」ではない?

・診療報酬の問題(どういう方向に? どのようなスケジュール?)

・臨床心理士養成の学部と大学院のカリキュラムは?

・他学科から大学院には入れないのか?

・指定大学院制度は?

・臨床心理士国家試験の科目は?

・経過措置の具体的姿(スライド制? 有資格者の科目一部免除とは?)

・いわゆる更新性について

・現在臨床心理士を持っていない臨床家にも国家試験受験ができる門戸を開くのか?

・臨床心理士と医療心理師の将来の関係

その他もっとあるかと思いますが、とりあえず眠い頭で思いつくところです。追加の確認事項を出してもらえると助かります。

2005年7月12日 (火)

こんな(悪?)夢をみた

2資格並立となったら病院現場で何が起きるかという切実だけど俗っぽい話

こんな夢をみた

①ある日院長に呼ばれ、「医師会の会合に行ったら”医療心理師”が国家資格になったので活用するようにとの話があった」「医療のことをよく勉強している心理職らしいね」「君もとったら」 ・・・・・

②事務長に声をかけられ、「県からの連絡で、医療心理師の病院実習に協力要請が来ているよ」「うちも県から言われれば、2,3人受けざるを得ないんだけれど、面倒みてくれるよね」 ・・・・・

③病棟にいたら看護師長にすごい勢いで言われる。「心理の国家資格って2つできたんだって。わかりにくいじゃない。ややこしくて患者さんも迷惑よ。何でもっと反対しなかったのよ。もっと声をあげないと駄目よ」 ・・・・・(その通りです。準看の問題も抱えており、2資格の危うさを強く感じ取っているのでしょう)

④仲のよい医師から、「国家資格になって、これで隠れずに、サイコセラピーをがんがんやってもらえるなー」 ・・・・・(いえいえ、まだ診療報酬問題が不透明で・・・。それにサイコセラピー適用かどうか、今後とも丁寧に検討していきましょう) ☆続けてその先生、「医療心理師なら難しいこといわずがんがんやってくれるかなー」なんて言わないですよね。

⑤開業を考えている医師からの相談、「クリニックでまず雇うなら医療心理師の方が安いからよいかな」 ・・・・・(安くで雇って、後でトラブル処理の追われてもしりません。まあ臨床心理師でも、人をみて雇わないと大変なことになるから、人を紹介する時はかなりのエネルギーを使っているのに・・・)

⑥意識の高いPSWスタッフから、「どうして大学院の資格を作っていたのに、学部卒資格ができちゃったの。医療のことは簡単にできるって思っているのかしら。あと、医療心理師って言いながら、福祉の分野でも活用しようとしているらしいじゃない」 ・・・・・(そうなんです。でもPSWの団体は、医療心理師を押していたんですけれど・・・)

⑦一緒に仕事することの多いOTさんからのコメント。「グループやっていて、心理の立場からのするどい視点ってけっこう参考になるんだけれど、医療心理師って医療や福祉のことばかり勉強しているらしいじゃない。私たちと考え方が変わらなければ意味ないわよ」 ・・・・・(ごもっともです。でもOTの団体の皆さんも・・・)

⑧クライエントが「国家資格になってよかったですね」といってくれた。 (我がことのようによろこんでくださっていて、うれしい反面・・・、複雑)

医療の分野で働いていたら、本当に医療心理師って資格はいらないんですよね(臨床心理士が医療分野で働けるならば)。政治どうこうを抜きにした、現場の小さいけれども切実なできごと(悪夢!)話です。

こういった小さな心配(または悪夢!)について、皆さんからのコメントをいただければと思います。小さなことだけれど、いろんなことに関連して大きな問題となることも現場では多いですよね。いかがですか?

2005年7月11日 (月)

今度の日曜に臨床心理士側の合同会議

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、日本臨床心理士会や「臨床心理士」国家資格推進の関係団体の役員が、7/17(日)の午後に合同の会合を開くことになっています。この会の中で、法案に関する説明や今後の具体的な方向性についての意見交換、意見の集約がなされることになります。

経過措置の問題や具体的な問題点などもみえてくると思います。この会合内容の情報が入り次第、このブログにエントリーします。

政治の側の動きは、密室の中のことなのでわかりにくいのですが、鴨下議員のブログにあるように、現在法案が各党に持ち帰られて、内部で議論がなされている状況と思います。こちらの方がどのような動きとなるかは不透明です。

厚生労働委員会では、障害者自立支援法案について、民主党が一部修正の上で法案採決に合意しましたから、7/13(水)にも委員会通過となりそうです(参照ウェブ)。そうなると、次はいよいよ「心理職の国家資格」法案でしょうか??

2005年7月10日 (日)

「医療心理師」のこわーいお話

医療心理師は「医療限定資格」ではありません

医療心理師は臨床心理士の領域を脅かさない、よかったよかったと思っていませんか?そんなことはないですよ、というお話です。

7/5の法案要綱で医療心理師は、「医師が傷病者(治療、疾病の予防のための措置又はリハビリテーションを受ける者であって、精神の状態の維持又は改善が必要なものをいう)に対し医療を提供する場合において」と記されています。ここで「医療限定」とは表現されていないですね。

これは医療心理師は医療以外でも働ける可能性を残した表現と思います。厚生労働省が省令などで誘導すれば、児童相談所や保健所のデイケア、福祉施設、介護関係の施設でも働くことが可能です。傷病者への支援を行うことに特化していると主張すればよいわけですから。こわいけれどあり得る話ですね。

学校領域への進出も可能です。臨床心理士が不足している地域ならば、資格がない人を雇うよりも、医療心理師有資格者を採用したほうがよいと考えることになり得ます。この場合、医療心理師は「カウンセラー」として勤務するでしょう。医療心理師を持っていても、医療心理師を名乗らずに業務を行うと言えば、どの分野でも働けるという理屈も成立します。こわいけれどあり得ます。

臨床心理士も業務独占資格ではないので、学校分野で臨床心理士以外がカウンセリングをしてはだめという風にはなりません。これから医療心理師が学部卒で「大量に」養成されれば、実務経験のない人たちであっても、まったく資格を持っていないよりあった方がよいということで、都道府県レベルで医療心理師がさまざまな分野に進出することがおき得ます。

そもそも医療行為を行わないのに医師の指示下ということがよくわかりません。医療心理師と名乗れば医師の指示下だけれど、医療心理師と名乗らなければ医師の指示下に入らないということになりますよ。変な感じですね。医療行為を行う資格ならば、当然医療行為を行う場合には医師の指示に入ることになりすっきりするのです。んー、やっぱり医療心理師は問題だ。

2005年7月 8日 (金)

尊敬される「臨床心理士」国家資格になるために

「(現)臨床心理士 → (新)臨床心理士」となるために、あってほしいこと。

やはり質を確保して、国民から広く信頼される国家資格に生まれ変わってほしい。

そのために、こうあってほしいという個人的な願いです(あくまで私見です)。

①(現)臨床心理士も含め、全員が国家資格のための研修を受ける

②(現)臨床心理士も含め、全員が国家試験を受ける(スライド制にはしない)

③現在臨床心理士でない人にも、ある基準以上の臨床経験を持っている人には、条件付で(現任者講習会のようなもの)、国家試験受験資格を与える

④(新)臨床心理士は更新制とする(更新制が難しいなら、ポイント制などの職能組織内の自主的基準を設ける

⑤スーパーバイザー養成、実習受け入れの研修など、次世代育成のプログラムを充実させる

こんなことをかかげると、えーっと言われそうですが、やはり質の高い国家資格で目指すことが何よりも大切と思います。そしてこれまでさまざまな事情があって臨床心理士を取らなかった方にも、ぜひ(新)国家資格に参加してもらえればと考えます。

もちろん試験を受けたり研修会を受けたりするのは大変ですが、でもやはり国家資格となるのであれば、やはりさまざまなことを改めて確認する機会が必要ではないでしょうか。尊敬される(新)臨床心理士を作りましょう。

2005年7月 7日 (木)

臨床心理職の請願署名が国会に受け付けられました

18万人にご協力いただいた臨床心理職の国家資格の署名が、衆議院の文部科学委員会と参議院の文教科学委員会に受理されました(デスマさんブログ参照)。

この署名が始まった時は、医療心理師だけが国家資格になりそうで、臨床心理士は資格になる見通しがなく病院では働けなくなるという感じでしたから、本当に感慨深いです。7/5の法案要綱では、臨床心理士は、病院でも働ける、また全ての分野で国家資格を持ち仕事をしていける資格となりそうです(まだ紆余曲折はありますが)。

署名してくださった皆さんひとりひとりの思いが通じつつあるのだと感じます。これは私が呼びかけることではないかもしれませんが、署名を集めてこられた皆さんには、ぜひこの署名が正式に国会に受理されたこと、そして国家資格の法案がとりあえず姿をみせたこと、あと一歩の応援が必要なことを、署名に協力してくださった方々に伝えていただければと思います。

法案要綱はできたとしても、これはあくまで議連レベルの合意です。これから各政党に持ち帰って、さまざまな立場の議員からの意見にさらされます。そのような段階で、この18万人署名の力はとても大きいと思います。

また医療心理師の問題が残っています。臨床心理士と医療心理師とを連続性のある資格にしなければ、さまざまな弊害が生じ、お金(税金)もよけいにかかります。この点については、ぜひ国会議員の先生方の見識に期待します。

資格の連続性の必要性を示すために、「医療機関勤務者向け署名」が行われています。こちらの方はそろそろ集約が始まっているでしょうから、まだお手元にある方はお早めに、日本心理臨床学会まで送られるとよいでしょう。国会議員の先生方に「資格の連続性」を理解していただくために、この署名提出はちょうどよいタイミングをむかえつつあります。

2005年7月 6日 (水)

臨床心理士と医療心理師の教育カリキュラム

7/5の法案要綱の中に含まれていないけど、心理学や臨床家養成の将来にかかわる大切な話題です。

 

医療心理師は4年生学部卒、臨床心理士は4年生学部卒と修士課程修了(6年間)という違いがありますが、そのカリキュラム上の違いはどうなっているのでしょう。今回明らかになった法案要綱(7/5)によると、臨床心理士も医療心理師も、学部においては「主務大臣の指定する心理学等に関する科目」、加えて臨床心理士は大学院においては「主務大臣の指定する臨床心理学等に関する科目」となっています。

 

今回の法案で、臨床心理士が医療分野で働けることになったため、医療心理師の存在意義がなくなっています(ロテ職人さんブログも参照)。たぶん、医療心理士の存在意義を出すためには、教育カリキュラムで違いを出そうとするでしょうね(無理やりにでも!)。

 

医療心理士の学部カリキュラム案は、私はちらりとしかみたことがないけれども、心理学の包括的36単位(心理学概論、心理学研究法、心理学実験実習、5領域から3領域など:認定心理士参照)に、臨床実習科目、医学や保健、福祉の科目、あと一部の特別科目(認知行動療法関係?や神経心理学)などが入っていました。医療や保健、福祉関係の科目があまりに多く、心理学科ではなくて、医療技術学部の中に医療心理学科を理系として作ろうとしているのではと、驚いたことを記憶しています(まさか違いますよね!)。これに一般教養が入ってくることを考えると、かなり負担だなと感じました。

 

これでは、心理学科教育のこれまでの伝統を大きく崩すことにならないか心配です。特に基礎を含めてきちんとやっている大学の心理学科ほど、過重な医療・保健・福祉科目に混乱するのではないかと素朴に感じてしまいます。医療や福祉の関係者が心理学科のポストをねらっているということではないですよね!

 

臨床心理士の6年コースであれば、4年間心理学を基礎から臨床までバランスよく学び(もちろん、包括的36単位は含みます)、それを土台に大学院で臨床心理学や各種実習をみっちりやるということになるでしょうから、現状にも即していてよいかなと思いますが・・・。

医療心理師推進側には、日本心理学会も入っており、これは認定心理士を重要視しようという意図があるのだと思いますが、医療・保健・福祉科目の過重のために、かえって心理学科の伝統的な教育体制を崩すことになるのではと思ったりもしています。

 

カリキュラムについて皆さん情報はありますか?

2005年7月 5日 (火)

「臨床心理士及び医療心理士法案」が姿を現しました(長文です)

本日(7/5)午前10時から開催された両議連の合同総会にて、「臨床心理士及び医療心理師法案」要綱骨子が了承されました。今後は、各党に持ち帰って検討することになります。何度も申し上げていますが、これで決定ではありません。議員立法なので、党に持ち帰った後に修正となる場合もあります。問題点を、現場の臨床家からも挙げていきましょう。

さて、私昨日あげたチェックポイントについて、意見を述べたいと思います。「すばらしい」は◎、「よさそう」は○、「んー」は△、「ちょっとまずいのでは」は●、としました(あくまで私見です)。皆さんのご意見もお寄せください。ちなみに要綱骨子は、日本臨床心理士会で全文をみることができます。

なお、実際の要綱は、臨床心理士に先に言及し、その後医療心理士という順になっています。

A.医療心理士の国家資格に関して ●(△?)●△△

 1)名称…●「医療」という言葉が使われています。医療行為を行わないのに「医療」という言葉を用いる、国民にとってわかりにくいものとなりました。

 2)医療限定となっているか…△?一見医療機関限定になっているようですが、よく読むと、「医師が傷病者(治療、疾病の予防のための措置又はリハビリテーションを受ける者であって、精神の状態の維持又は改善が必要なものをいう)に対し医療を提供する場合において」と記されており、「医療機関限定」とはなっていないのではという疑念が生じます。保健分野や福祉分野への拡大に関して含みを残しています。

 3)「医師の指示」について…●医療心理師の業務すべてに「医師の指示」が及ぶことになりました。医療行為を行わないのに「医師の指示」下となり、これは大きな問題です。 

 4)4年生大学卒…△「主務大臣の指定する心理学等に関する科目を修めて卒業したもの」となっており、 「4年生大学卒」となっています。カリキュラムが加重にならないか心配です。 

 5)経過措置…△現在医療に従事している人に対して、5年間の経過措置が認められます(厚生労働大臣が指定した講習会も受ける)。ただし、すでに臨床心理士をとっている方にとって、医療心理師をとるメリットはほとんどなさそうですが、何か裏があるかもしれませんね。

B.臨床心理士の国家資格に関して ◎○△○△(△?)△

 1)汎用資格になっているか…◎「教育、保健医療、福祉その他の分野」と規定され、さまざまな分野で働ける資格となっています。

 2)医療での扱いについて…○「医療提供施設」での業務が認められます。医療心理師との扱いの違いについては特に触れられていません。今後、通達や診療報酬での規定などでチェックしておく必要があります。

 3)医師の指示…△「医療提供施設」においては、「医師が医療を提供する傷病者に関してその業務を行うに当たっては、」「医師の指示」を受けなければなりません。「医師の指導」ではない点は残念ですが、医療機関に限定されるという点は評価できるでしょう。

 4)大学院修了について…○大学院修了が基準となります。認定協会の指定大学院に関する扱いは不明です。 

 5)経過措置…△「主務大臣が定める要件に該当するものは」「法律の施行後5年間は」臨床心理士試験を受験できます。またその場合、試験の一部を免除されます。この内容が明確でありませんが、たぶん現在の臨床心理士有資格者への経過措置と思われます。

 6)更新制…△?更新制についてはふれられていません。一部報道では、医療関連の他資格とのバランスで更新なしという情報もあります。 

 7)管轄…△主務大臣であり、主務大臣は「文部科学大臣及び厚生労働大臣」となっています。共同管轄の詳細は不明です。 

C.2つの資格の関係について ●●(●?)●(●?)(●?)?

 1)2法案の名称の関連性…●名称の関連性は全くありませんでした。これでは臨床現場が混乱します。 

 2)資格の連続性…●連続性に関する言及はまったくみられません。これは大きな問題です。

 3)試験センター…●?「試験センター」については、医療心理士が「厚生労働令」で指定した試験機関、臨床心理士が「主務省令」が指定した試験機関となっており、別組織の可能性が高いのではと推測します。 

 4)登録組織…●登録機関は、医療心理師が厚生労働省令で定める指定登録機関、臨床心理が主務省令で定める指定登録機関となっており、連続性はほとんど望めない感じです。 

 5)職能団体…●?職能団体に関する記載はありません。これまでの流れからすると別組織となりそうです。似たような資格に2つの職能団体、これでは税金の浪費です。国会議員の皆さんの今後の見識に期待します。 

*その他 

 6)将来の資格統一への言及…●?まったくふれられていません。2資格の混乱が永続して続く可能性があります。 

 7)2つの「議連」の今後…?両議連の今後の方向については現段階で情報がありません。 マスコミ等の報道を待ちたいところです。

いずれにしても国会議員の皆さん、あと官僚の皆さん、お疲れさまです。あともうふたつみっつお願いいたします。

報道され始めていますね

読売新聞のサイトに以下のニュースが載っていますね。

***

心のケアの国家資格、別々検討の2つを1法案に一本化 

 病院や学校などで心のケアを行う専門職として、超党派の二つの議員連盟が別々に検討していた二つの国家資格について、両議連は5日午前、合同総会を開き、一本化した法案に二つの資格とも盛り込み、超党派の議員立法で今国会に提出することを決めた。施行は来年4月の予定。

法案の名称は「臨床心理士及び医療心理師法案」。要綱骨子によると、医療分野に活動を限る「医療心理師」と、医療だけでなく学校や企業などあらゆる分野で活動できる「臨床心理士」の、二つの国家資格が設けられる。

(中略)

 「医療分野は医療心理師、医療を除く他の分野は臨床心理士」という住み分けの案もあったが、現行の臨床心理士の3―4割が医療・保健分野ですでに働いているといった実態などから、変則的な形になった。この結果、医療分野で二つの資格が存在することになり、国民にとって分かりにくい仕組みとなった。

(2005年7月5日11時33分  読売新聞)
***
法案そのものが合同議連で配られたのか、それとも要綱骨子だけを了承したのか不明ですが、また続報を待ちたいところです。現状では、とりあえず予想通りという展開ですが・・・。それにしても、名称に「医療」が入っていますね。「医師の指示」に関する情報はありません。

「(仮称)医療心理師及び臨床心理士法案」のチェックポイント(まとめて)

本日姿を現す国家資格法案のチェックポイントをまとめて再掲します。この中でも、特に私が関心があるのが、「医療心理師」の名称(A-1)や医療限定のあり方(A-2)、両資格の医師の指示(A-3、B-3)、臨床心理士の医療での扱い(B-2)、両資格の連続性(C-2)や職能団体(C-5)です。情報がわかり次第報告します。

A.医療心理士の国家資格に関して

 1)名称

 2)医療限定となっているか

 3)「医師の指示」について

 4)4年生大学卒

 5)移行措置

B.臨床心理士の国家資格に関して

 1)汎用資格になっているか

 2)医療での扱いについて

 3)医師の指示

 4)大学院修了について

 5)経過措置

 6)更新制

 7)管轄

C.2つの資格の関係について

 1)2法案の名称の関連性

 2)資格の連続性

 3)試験センター

 4)登録組織

 5)職能団体

*その他

 6)将来の統一への言及

 7)2つの「議連」の今後

2005年7月 4日 (月)

「(仮称)医療心理師及び臨床心理士法案」のチェックポイント(3)

C.2つの資格の関係について

 1)2法案の名称の関連性…同じ名称に統一されれば満額回答です。ただすでに表題で述べているように、今回の法案段階では厳しいですね。これは法案提出後の修正を求めていくことに活路を見い出したい。現場の混乱を避けるためにもどうしても名称統一は必要でしょう。この点については署名活動からも働きかけがあります。

 2)資格の連続性…2つの資格が別個のものでなく、何らかの連続性を持っていか、こちらも注目したいところです。名称の件もそうですが、試験科目、登録組織、職能団体、片方持っていてもう片方受験時の優遇措置などです。これに関する言及がなければちょっと問題ですね。

 3)試験センター…国家試験の試験を行うセンターは、資格の法律に明記される傾向にあります。この点について、同一の試験センターなのか別組織なのか、試験科目に似た科目はあるのか、科目免除についてなどです。2つの試験センターなんて、税金の無駄遣いをするかどうかが大きなポイントですね。

 4)登録組織…国家資格の場合は、国家試験合格後に登録をする必要があるのですが、その登録場所や登録方法、登録組織などで、何らかの2資格間の関連があるのか注目です。全く別個だとしたらさらなる修正が必要でしょう。

 5)職能団体…実はこれが最も大きなポイントとなりますが、これまであまり議論をしてきませんでした。資格をとった後登録し、また職能団体に所属することになります。そしてこの職能団体を通じて、他職種団体や行政との連絡や交渉などを行っていくことになります。この職能団体がまったく2つできてしまうとなれば、分裂状態となり、現場も混乱するし、他職種にも迷惑がかかるし、行政にはうまく操作される(二枚岩ですから操りやすい)ということになりかねません。ここは大いに注視しましょう。

*その他(法案にはのらない性格のものですか・・・。

 6)将来の統一への言及…将来的には一緒になっていくとか、その方向を目指すとか、そのような言及がみられるかですね。そうでなければ、この法律によって少なくとも数十年は、心理業界は分裂状態となるのでしょう。そのようなことをして、誰の利益になるのか、もう一度真剣に考えないといけないと思います。

 7)2つの「議連」の今後…もうひとつ重要な点として、これまで別々に活動していた「議連」がどのような活動を行うのかということです。両「議連」が今後も別々に活動するのか、それとも何らかの発展的関係を作るのか。こちらも注目したいところです。

「(仮称)医療心理師及び臨床心理士法案」のチェックポイント(2)

B.臨床心理士の国家資格に関して

 1)汎用資格になっているか…医療、福祉、産業、教育、司法などの横断的な汎用資格になっているかです。これはほぼ確実と思いますが、教育分野の資格という色彩を強めようという動きもあると聴きますので注意です。

 2)医療での扱いについて…今回の法案での大きな注目点です。医療でどのように位置づけられているのか、医療心理士と同じ位置づけなのか違いがあるのか、がポイントです。医療心理士と同じ扱いであれば、事実上医療心理士の存在意義はなくなるので、何らかの違いを出すべくしかけがある危険性があります。もしそうなると、病院で働く臨床心理士は、「医療心理士」「臨床心理師」の2つの国家資格試験を受けなければならなくなるかもしれません。

 3)医師の指示…これも焦点のひとつです。資格全体に「医師の指示」が及ぶことはないと思いますが、「主治医の指示」なのか「行為に対して指示」となるのか、「指導」なのか注目です。なお、「医師の指示」問題はわかりにくいので、以前の記載をごらんください。

 4)大学院修了について…こちらもどこまで記載されているか注目です。大学院の単位認定なのか、それとも何らかの指定制なのか、学部が心理学以外の場合は、などが重要なところです。

 5)経過措置…経過措置(つまり現任者への優遇措置)がどの程度認められるかです。現在臨床心理士を持ち臨床活動を行っている人へは、現任者講習会などの国家試験受験までのプロセスがどの程度明らかになるか気になるところですよね。また現在臨床心理士を持っていなくても臨床経験を有している人への門戸についても注目したいところです。(無試験でスライドなんてことはないと思います)

 6)更新制…意外と議論されていないのがこの問題です(たとえば5年ごとに一定の条件を満たせば更新する)。国家資格において更新性はあまりなじまないという議論もありますが、臨床心理職の質を高めるためにも、その意義がもっと注目されてよいと思います。法案に言及があるかですね。

 7)管轄…「文部科学省」と「厚生労働省」の共同管轄というアイデアが報道されていましたが、それが具体的な詰めの段階でどのようになったかですね。厚生労働省は力が強いから、形式だけ文部科学省なんてことになっていないか見守りたいところです。

「(仮称)医療心理師及び臨床心理士法案」のチェックポイント(1)

いよいよ明日、7/5(火)に国家資格法案が具体的に姿を現します。

マスコミでは「すでに決定」との報道もされるかもしれませんが、まだまだ問題点も多いものが出てくると予想されます。必要に応じて声を上げていくことが大切です。そこで冷静に読み解くために法案のチェックポイントをここに整理したいと思います。

「A.医療心理士」「B.臨床心理士」「C.2資格の関連」

A.医療心理士の国家資格に関して

  1)名称…ほぼ確実に「医療心理師」となると予想されますが、もし「医療」を使っている場合、医療行為を行わない職種が「医療」という言葉を用いる非常にわかりにくい事態が生じます。これは他の国民や医師、看護師などの現場の医療関係者にとっても見逃せないことではないでしょか?

  2)医療限定となっているか…医療の範囲は広がっているので、どのような定義で「医療限定」とするのか気になります。福祉領域に進出しようという動きがありますが、そうなると臨床心理士との違いがわからなくなりますね。

  3)「医師の指示」について…焦点の「医師の指示」問題です。資格全体に「医師の指示」が及ぶのであれば大いに問題です。「主治医の指示」なのか、それとも他の条件がつくのか注目したいところです。

  4)4年生大学卒…4年制大学卒と確実に定義されているのか必ずチェックしたいところです。ただし4年生大学卒であっても、カリキュラムがどうなっているのか疑問が大きいです。その点について何らかの言及があるか気になります。

*カリキュラムに関しては、法案の内容をみた上で、鋭意議論したいと思います(たぶん法案上ではあまり触れられないでしょう、法案を通した後で自由に作れるという風にならないようモニターしていく必要があります)。

  5)経過措置…現任者をどう移行するかという問題です。臨床心理士が医療分野に参入できるとなると、現在の臨床心理士で足りるわけですから、医療心理士に移行することのメリットはなくなります。医療心理士を支持していた人、または医療心理士を養成する人がとる資格となりますね。当然そのことを推進側も恐れるので、現在4年生卒だけれどあまり臨床経験がない人対象に、専門学校で講習を行って資格をとれるという道を作るかもしれません。このような事実上間口を広げる抜け道が作られていないかもチェックポイントですね(一部、上記4)学部卒と重なります)。

政治家の動き(続報)

デスマさんのブログの情報によると、鴨下一郎衆議院議員のブログに、7/5(火)に「医療心理士」「臨床心理士」の両議連の合同の会議が開かれるとの情報が掲載されているようです。6/30に書き込まれていたようですね。見つけてくれたデスマさんに感謝(トラックバックします)。
気をつけなければいけないのは、7/5に出てくる案が最終案ではないということです。政治家は「既成事実作り」をして、もう決定だという言い方をするかもしれませんが、今回の提案は政府提案ではなく議員立法ですから、法案が姿をみせてから、さまざまな分野から異論や意見が出てきて、修正される可能性があります。
特に、医療心理師法は、医療行為を行わないのに「医療」という言葉を用いる、医療行為を行わないのに「医師の指示」がかぶさる、という根本的な問題を持っていますので、この点を中心に各種団体からさまざまな意見がでるのではと感じています。

2005年7月 3日 (日)

近日中に法案に関する方針が出る?

複数の情報筋から聞いた話ですが、今週前半にも一本化交渉を行っている議員(+担当官僚)から、法案に関する新たな情報が出る模様です。私は次は厚生労働委員会への審議入りかと思っていましたが、実際は思ったより関係団体との調整にとまどっているらしい、とのことです。たぶん、その法案情報が出た(マスコミにリーク)された場合は、新聞やネットニュースで大きく報道されると思います。

ただし報道のされからに注意してください。すでに法案として固まったという報道があるかもしれませんが、まだ固まっている段階ではないと思います。これが議員立法の特徴でもあるとあると思いますが、この法案を出してみて、反応をみてまた検討しようという感じだと思います。ですから、法案報道がされてからが勝負です。関係団体や国会議員へのアプローチ、身近な人との意見交換などが重要です。

特に臨床心理に関係している皆さんには、ぜひ自分の問題と考えて、自分の意見を育てていきましょう。私にとっても、自分の心理実践を行う上で、社会との関係、医療とのかかわり、社会の期待に答えるための自己研鑽をどうしていくか、深く考えさせられます。今回の国家資格騒動は、やや政治的な文脈が強くなっていますが、やはり一番大事なことは心理支援の現場であり、クライエントであり、世の中の心の悩みを持っている人々と考え、日々の臨床を大切にしていきたいと思います。

2005年7月 2日 (土)

うっかりしていました(国会のこと)

昨日(7/1)に衆議院の厚生労働委員会が開催されていたのですね。しばらく審議がなかった、「障害者自立支援法案」の議論が再開されています。この法案は、障害者がサービス利用にお金を払うことを求めており、与野党で意見が対立しています。

この法案の審議が落ち着かないと、心理職の国家資格の審議には入りにくいかと思っています。でも、理事会の中で合意があれば、今週にでも法案が審議入りするかもしれません。

次回の厚生労働委員会開催日は未定ですが、これまでのペースで考えれば、週の前半にはあるでしょう。

医療心理師「10万人」計画!?

この話は関係者の方々から私も聞いています。

これだけの医療心理師をどこに勤務させようとするのでしょう。医療機関のみではどんなにがんばっても10万人も勤められない。

それは福祉分野なんですよ!

そして照準は、介護保険分野でしょう(推測ですがほぼ確実では?)。

そういえば、今国会で介護保険法改正があって、「包括支援センター」といった地域センターが新たに作られることになっています。これは介護予防を中心に行っていくセンターです。介護予防のためにさまざまなプログラムを行うのですが、そこに心の支援を行うスタッフが必要と考えているようです(その考え自体には大賛成です)

そこに医療心理師を投入するとしたら・・・。

そして、その医療心理師が医師の指示のもとに動くとしたならば・・・。

医師による介護分野へのコントロールがより明確になりますね。

厚生労働委員会の国会議員の方々は、介護保険法改正の審議も行っていました。だから彼らは、介護分野に詳しいのです。そして、医療心理師を押しているのも、厚生労働委員会の一部の国会議員の先生方です。当然話をつなげて考えるでしょう。

医療心理師が医療行為の枠に入らず医師の指示を受けるということで、こんな離れ業ができるのですよ。だから10万人計画という話が出るのです。

それでも10万人は多い?そんなことはありません。ほかにもねらうことのできる福祉分野はたくさんありますね。児童、障害者、子育て支援、これらもすべて、厚生労働委員会です。どこに勢力を広げていくか・・・。

すごいですよね、医療心理師の政治的ねらいは・・・。

そしてそれを姿をみせずに遠隔操作している「団体」にはすごみを感じます。

臨床心理士こそが高齢者支援や介護予防、児童、障害者、子育て支援に貢献できるし、すでに実績を上げているのに!

2005年7月 1日 (金)

医療機関勤務者の署名について(7月も継続)

すでにこの「緊ブロ」で何度も取り上げている「医療機関勤務者向け署名」ですが、
看護師の皆さんがたくさん署名してくださっているようです。
看護師は長年、「医師の指示」問題やその他資格に関して戦ってきましたから、
今回の署名についても共感してくださるのでしょう。
医師の方々も多数署名してくださっています。
医師と良好な関係を作って活動している臨床心理士の姿が目に浮かびます。

もちろん他の職種の方々も署名に協力してくれています。

今回の署名ですが、
審議入りが少し延びるという情勢なので、
再度締め切りが延長となるようです(あと1週間程度)。
まだ署名しておられない病院勤務の皆さん(特に臨床心理士の皆さん)、
どうぞご署名をよろしくお願いいたします。

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