昨日(もう一昨日、2006年1月8日(日))になりますが、
日本臨床心理士会主催の「第13回医療における心理臨床ワークショップ」において、
「臨床心理士の国家資格をめぐる諸問題」と題する講演が行われました。演者は、心理職国家資格問題についてその経緯を熟知されている、心理士会統括副会長の乾吉佑先生でした。
午前中の2時間をかけての講演で、心理職国家資格をめぐっての40年以上前からの経過の説明や、なぜ国家資格が困難なのかという情勢分析、昨年の国家資格をめぐる動きなどを、非常にわかりやすく説明してくれました。
会場にはたぶん1000名近い(?)臨床心理士が参加していました。資料などとても参考になると思うので、参加した人が近くにおられれば、ぜひ資料をみせてもらうとよいでしょう。
講演の内容に関して、ここで整理して正確にお伝えするのは、私には無理なので、講演を聞いて印象に残った点をいくつか・・・(ですから、あくまで文責は私です)
まず、非公式およびブログ上で国家資格に関する情報や考えを知ることは多かったのですが、公式の場で臨床心理士会幹部の先生から、ここまで丁寧に話を聞けたのははじめてでした。とてもよい機会だったと思います。国家資格をめぐる半世紀近い「戦い」の歴史を知ることで、いろいろと考えさせられました。
国家資格を作るためには実績を作ることも重要ということで、資格認定協会、スクールカウンセリング(SC)事業、臨床心理士会(職能団体)、県心理士会、指定大学院などを作ってきたが、それらの実績作りの中で問題も生じている、というようなことをおっしゃっていました。この認識がきけたことは、私にとって少し救われる思いでした。このあたりのニュアンスは講演を直接聞いていないとわかりにくいかもしれませんが、SC事業や指定大学院の一部の問題などを見聞きして心を痛めている(し何とかならないかと気をもんでいる)私として、自分のやれることをやっていこうと、少し励まされた感じです。
実績作りのためにがんばっていたら、一方で「民間資格なのに」などと言われてしまう幹部の方々の大変さに、少し共感してしまいました(共感しすぎかもしれませんが・・・)。
医行為か医行為でないかの長年の議論が、国家資格を妨げる要因のひとつであるという話は、今回も強調されていました。その中でカリキュラムの話が出て、診療補助職の理学療法士では、医療関係科目が89%、言語聴覚士では医療関連科目が45%などとなっているということ。診療補助職となると、医療関連科目の割合が多くなり、それが心理職の養成としていかがなものか、といったお話でした。この点は、私もこのブログで、過去に問題提起している点です(教育カリキュラム)。臨床心理専門職のアイデンティティの認識と、養成カリキュラムとは密接に関係すると思います。
昨年の国家資格検討の中で、医師の指示に関して、「病院、診療所で医行為に伴う業務を行う場合は、それが医行為ではなく責任の所在を明確にするということで”医師の指示”としていただいてよい」という見解が示され、この見解はこれまでの臨床心理士会の見解からすると一歩踏み込んだものだということも強調されていました。この内容は、骨子にも反映されましたね。心理士会として大きな譲歩だったと思いますが、乾先生から丁寧な説明がなされました。
私の意見ですが、これは「みなし医行為」ともいうべき新しい法的概念ではないかとさえ考えてしまいます(あくまで私の意見ですよ)。保助看法を一部解除せず、しかし医師の指示下におくという方法ですね。これには似た前例はあって、管理栄養士は近い形をとっていると思います(似たようなコメントはたくさんいただいていますね)。この考え方は今後も維持されるような感じです。
あと、乾先生としては、前回検討された法案骨子は「流れた」のではなく、検討が「止まっている」という認識であると強調されていました。今後、この法案がどのように扱われるか要チェックということなのでしょうね。
ニュアンスが違う点もあるかもしれないので、参加した方々の修正などコメントをお願いします。なるべく多くの人に情報を知ってもらいたいので、ここに印象記ということで記しました。
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